心こそ

心こそ 心惑わす 心なり 心に心 心許すな


白洲正子さんのおつきの女性、タチさんが亡くなられたときの

白洲さんの脳裏に過ぎった「ああ、これでイーストが買えなくなる」

(「白洲正子自伝」縁ふかき女性たち 116頁より) を思い出した


タチさんは正子さんが御自身とお子さんとの二代に渡り

お世話になった女性で、そのタチさんが戦時中、鶴川でパンを焼く折

当時、手に入り難かったイースト菌をヤミで手に入れてきてくれる

ただ、仕入先だけは教えてくれない

そのタチさんが急に亡くなられたとき、白洲さんの脳裏を過ぎったのが

「ああ、これで・・・」 であった

(以下 「白洲正子自伝」縁ふかき女性たち 116頁より)

何という冷酷なことか。何物にも替えがたい数十年の恩愛が、

ただのつまんないイースト菌に還元されようとは。

――― 私はこの身を八つ裂きにしたい思いに駆られたが、人間とは、

とどのつまりそんなに非情なものなのであろうか。

ほんの一瞬のことだったが、私はこのことが、

一生忘れられないし、許すこともできない。

ひいては自分の知らないところでどれ程の罪を犯しているのだろう。

そのことに想いを及ぼすと、昔の人々が、仏の前で「懺法」や「悔過」

を修したのも、肝に銘じて過去の罪科を知っていたために他なるまい。


今週は遅勤なので11時頃目覚めテレビを点ける

しばらく見ていると、速報が入ってくる

福島第一原発3号機が水素爆発

また・・・

ただ、現場で負傷者は出たが

最悪の事態には至らなかったので少しばかり安心した


今回の東北関東大震災、岡山の私は休みという事もあり

ただただ、テレビを見続けるのみ

なにも出来ない

そのうち、どこか遠い土地、他人事のような感覚が湧いてくる

流石に今回ばかりは、自分の冷たさに辟易とする

冷たい人間であることは重々承知しているつもりだけど・・

仕舞いには、被災された東北の方の

チリ地震のときも津波の被害に会った。今回も大丈夫」

の言葉に、こちらが励まされ、救われる


現地で救援活動を行われている方々

救援隊や救援物資を送って下さっている、各国の方々

ありがとうございます

そしてなにより、被害に会われている東北、関東の方々

頑張って下さい

東北の方の、粘り強さ、辛抱強さを今こそ