急須、納得

hirunesai2012-02-05

6時40分頃起っき

まだ眠いけど、のそのそと準備

7時20分頃家出

したすら笠岡に

8時半過ぎ目的地に到ちゃけ

約束の10時まで時間があるので少しうろうろ

取り合えず、昨日かっとぶくろなどで思わぬ出費があったので

銀行で金をおろす。くはっ


10時前に御自宅の場所の確認の電話をしてからお邪魔する

本日は小橋順明先生の御自宅へ

自宅の展示室にて拝見なのです

昨年10月末〜11月始めに焼かれた新作が楽しみ


先生が既に外に出て出迎えて下さる

奥様と2人のお子さんと共に賑やかなお出迎え


お茶を頂いて、早速に


今回は1日長い窯焚き

低い温度帯をいつもより長く焚かれたそう

焼き上がり(景色とか)には影響は無いけど

やはり傷などは減ったとのこと


登り窯では低い温度帯を長くしても胡麻等には

ほとんど影響が無いそうです

しかしこれが窖窯だと窯の後ろの方で

所謂細やかで降るような胡麻がのり易くなるのだとか


緋襷などの藁はくしゃくしゃとして置くだけ

気にされるのは量が多いか少ないか


今回の窯は細工物と急須で4カ月近くとられてしまい

食器類が思う数作れなかった上に

窯出しで業者さんがたくさん買っていかれたので

食器類が可也減っています、とのこと

また今後、個展も幾つか控えているので

6月くらいには窯を焚きたい・・・けど

時間的に・・・だそうです

嬉しい悲鳴 ?


個展3,4回で急須が大分減ってしまう


細工物の中には型が20パーツに及ぶものも


急須15個を同時進行で作る

茶漉し、轆轤、組み立て、仕上げ、乾燥(作業できる固さ)

などで1週間くらい


相変わらず急須が軽い

オイラも大分(軽さに)慣れたとはいえ、やっぱり軽い

因みに素直な形の急須の方が無理なく軽く出来るそうです

以前某所で焼き物(片口)を拝見しているとき

そこの方に「軽いでしょう ?」と聞かれたけど

返事に困ったことを思い出した

だってその片口より、小橋先生の急須の方が軽かったから


先生の急須の茶漉しの部分は

指でも力を入れれば取れてしまうのだとか

使われる方は気を付けましょう

あと個展などで茶漉し部分を触られる方も気を付けてくださいね


先日福山の個展の時にそばで開催されていた人間国宝展の

茶器を触られまくったとか  笑


薪を縦に入れるか横に入れるかでも熾きの溜まり方や

雰囲気が変わる


窯焚きのときは理屈よりも経験で全体的に判断して

対処されることが多い

逆に理屈を聞かれても仮説、推測でしか答えられないので

説明し難い


小口に薪をいっぱい詰める人もいれば、そうでない人も

冷たい空気が入って割れるのか ? それとも平気なのか ?


作家と窯元の人では同じ備前でも見方が全然違う

焼けや見るポイントなど


備前では仕上げに椿油を塗られる方もいらっしゃるのだそうです

中には台所洗剤などの空き容器(もちろんよく洗って)に

油を入れてスポンジでサッと塗られる方も居られるとか

お酒を〜は聞いたことあるけど、油もかあ


またい赤

温度が低いところで取れる赤い窯変

低いといっても、その赤くなっている部分が低いだけで

例えばまたい赤の出た窯変の酒器では

赤いところは焼けが甘いけど他の部分はしっかりと焼けている

ということだそうです

因みにこの‘またい’という言葉

足りない、という意味で岡山弁

岡山弁じゃあいうて、わしゃぁ知らなんだがぁ〜

勉強になりました


去年出店された松本クラフト

競争率7〜8倍とか


過日、庭で野焼きをされた

そんなに煙は出ないのだそう

草を焼くよりも煙は少なかったとか

もちろん焚き方もありますけどね


焼けの良し悪しはあまり値段に考慮しないのだそうです


今回の細工物、特に青備前のものは奇麗ですよー

個人的には青備前の宝瓶を作られるのも良ろしいのでは

などと妄想してしまいます

蓋の摘みの細工も凝ったものとか、かなり良いのではないでしょうか

問題はオイラの予算では買えないのでは ? ということ

あと青備前の片口もかっこいいかも

黒地に金色系の緋襷で


酒器で融けた熾きが茶色になっているもの


頂いたもの

徳利

ころがしの扁壺徳利

重厚な胡麻、熾きが融けた黒い玉垂れ

火のあたらない部分は黒とメタリックな緋襷

アクセントの耳もなかなか

胡麻、焦げ、熾きのグラデーションも面白く


備前の酒器

黒の地に煮えたようなメタリックな緋襷

その緋襷の周りが・・うーん・・何色って言ったらいいんだろう ?

仄かに青みの乗った金と銀とを混ぜたような色 ?

うーんとねぇ、水金箔とか青金箔の艶のない感じの色です

この三つの色の組み合わせが好いのです

あと、閉じた目のように見える石爆ぜも見所


もう一つ青備前の酒器

こちらは二度焼き

黒い地に金色の緋襷

それと緋襷の一部が艶をなくして変わった質感になっている

焼きプリンの表面みたいな感じの

中は柔らかそうだけど表面だけ固まっているような感じ

変化の具合が楽しみ


ビアマグ

紫蘇色でよく焼けたもの

薄っすらと金彩掛かったもの

下の方のくすんだオレンジの部分は緋襷 ?

こちらはある方に進呈するつもり


全部で15500円

なのですが、態々お越し頂いたのですからと

14000円にして下さいました

すみません。ありがとうございます


さて、お暇を と玄関まで出たところで先生が

こちら傷物ですけどお好きなのをお持ち下さい、と

えっ !?

傷物といってももちろん実用には問題ない程度の傷

引っ付きとか少しの欠け程度です

お客様などには出せませんが、自分使いには問題なしです

宜しいんですか、と言いつつも既に欲深い本性丸出しで

しっかりところがしのビアマグを選び

じゃあ、こちらをいたd・・・

差し出しかけた手が止まる

傷物の中に急須が!!

ぅおつ!!!

もうテンション

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑

いや、でも、やっぱり先生がメインに据えて作られている急須を

今まで一つも買っていないのに、いくら傷物とはいえ

それを行き成り、頂いてしまうのは如何だろう ?

それは少し浅まし過ぎるのではないか ?

などと考える余裕がないくらい、テンションMAXスーパーモンキーズ

多分、呆れられたのではないだろうか ?

本当に  苦笑

少なくともオイラ自身、後から自分に呆れ返った

結局、引っ付きで蓋が欠けてしまっているけど

実用にはなーーーーんにも問題のない急須を頂いてしまう

もう後から思い出したら、本性丸出しで

とても恥ずかしかったですけど

すみません、本当にありがとうございます


この急須、今回の作品で桟切りが掛かり渋目のもの

しかも軽いんだなこれが

帰り道早速に深蒸し茶を買って

家で人心地ついてからお茶を入れたんだけど

使い心地が凄い

切れは言うまでもなく

注ぎ口から出てくるお茶の勢いとか

最後残り少なくなってからの出し易さとか

全っっっ然違う

流石です

小橋先生の急須のファンの方の中には

贈り物として先生の急須を買っていかれる方がいらっしゃると

(小橋先生からではないですが)聞いたことがあったけど

納得


小橋先生ありがとうございました


あ、それから明後日7日(火)から14日(火)まで

天満屋岡山店 5階 画廊アートスペースにて

小橋先生の個展が開かれます

備前 小橋順明特集 −急須・香炉・細工物− です

急須、細工物を見るだけでも楽しめますよ

是非