妻有焼 !

hirunesai2013-05-04

(前日からの続き)

んが・・・泊まろうと思っていた

ネカフェが見つからない

あんだよ〜

とぷりぷり怒りつつ 1時間ばかり彷徨うも

諦めて、道の駅クロステンにて車中泊する事にした

( ネカフェが見つからなかったのは、帰宅後にオイラの

完全な勘違いだったと判明。17号線と117号線がごっちゃになっていた為

六日町のネカフェを十日町にあるネカフェだと思い込んでいた

皆さん、下調べは大事ですよ・・まあ最近はスマホとかか・・ 苦笑 )


7時過ぎに目覚める

寒い。5月にしては異様な寒さ

昨晩は風呂に入るタイミングを逃したので、早く風呂って温まりたい

ここ、道の駅クロステンには温泉施設、明石の湯があるのだけんど

オープンは10時から

まあそれまでは、今日の体験でどんなのを作るか考えつつ

車中でのむびり過ごす


風呂に浸かりさっぱりした後、出発

コンビニでおにぎりを買い

(なんか今回の旅はコンビニのおにぎりばっかり食ってたわ)

川の傍に車を停めて昼食

まだ雪が残っているし、冬の名残がそこかしこに

少し写真を撮ったりしている内に、持病が再発

くっ、こんなところで・・・石を拾いたい病が、再発・・だと

暫し石拾いを楽しむ


12時半頃、妻有焼陶芸センターに到着

こちらは旧野中小学校の校舎を改修して使用されているそうで

とても穏やかな佇まい

駐車場には風で舞った桜の花がそこかしこに

受付へ行き、体験の申し込み・・なのですが、当然に今はお昼

先生方も昼休憩中なので、暫しギャラリーの妻有焼を拝見

     !!

これは・・奇麗だわ、釉薬とかもの凄く良い !

まぢでか

先生のお話では、土も釉薬も全て地元の原料からの手作り

うーん、個人的にはやはり市販のものよりもこちらの方が好もしいです

( 但し、そこまでの見分けはつきません、オイラには  笑)

朝鮮唐津、三島手、青など唐津ライクなものが多いですね

しかも、どれもいい感じぃ

2階には薪窯で焼かれたものもありますので

どうぞそちらも、とのことなので、二階へ

日向の廊下をゆっくりと歩き、木の階段を上る

丁度 2階の展示室に入ろうとしたところで、声を掛けられる

体験の準備が出来たようだ


まずは先生の説明、紐作り

みるみるきれいな粘土の紐が出来ていく

うーん、流石ですね。体験の先生曰く

ここに来てから猛練習しました、とのこと

オイラ紐作るの苦手だから、素直に感心してしまいます

こちらの体験の先生、御出身は広島で、なんと高校は

吉備高原 (岡山) の高校で陶芸を学ばれたのだとか

その後専門学校に行かれ、佐渡の無名異焼で修行されていたのだとか


体験です

コースは手捻り

作品 2点のコースで、時間は 1時間ほどだそうです

( 体験は 3000円で 1作品増える毎に + 500円だとか 送料は着払い)

土は当然、地元の土。体験用に作り易く土作りされています

と、いいますか、無茶苦茶作り易い土です

オイラ的にベスト 3に入る

伊賀の伝統産業会館、美濃の織部の里公園の創陶園さん

そして妻有焼陶芸センターの 3箇所ですね

伸びるし腰もある


サクサクと茶碗 (小さいけど茶碗 ! 笑) と

徳利 (徳利に見えないし、切れとか気にしていないけど徳利 ! 笑)

の 2つが完成。パチパチパチパチパチ〜

誰がなんと言っても茶碗と徳利  笑


茶碗はいつもならもっと弄くりまわして

ええ格好しぃ、に仕上げようとするのですが

今日は、これで好いよ と思い、手を離す

のたっとしてる

諦めたとか、投げたとかではなくて、これで好いよ

多分、ここ妻有焼陶芸センターの持つ大らかな雰囲気のお陰

ちょっと高台が大きいけど、中は好い感じに出来たと思う

見込みに表で拾った桜の花弁を一片


体験料の支払いを済ませてから、再び妻有焼を拝見

淡い緋色の窯変が出た鮫肌釉っぽい酒器 (2000円) と

三島の醤油差し (1500円) と豆皿 (700円) を頂いた・・

のですが、この中の三島手の醤油差し、実は唯の醤油差しではなく

醤油差し形の花入れなのです〜 パチパチパチ

実はこの醤油差しシリーズ ? 切れがもう一つだったのですが

購入されたお蕎麦屋さんが

窓辺で花を入れたらすごくいい感じになるよ、と教えて下さり

そこで、思い切って醤油差しとしてではなく

花入れとして販売するようになったのだとか

鈴木じゃなくてイチローにしたみたいな感じ ? ・・違うか


妻有焼を頂いた後、体験で作り易かったので

妻有の土の方も頂くことにする

10kgで2000円

鉄分の多い土を頂きました。耐火度は1300℃くらいとのお話


土を頂くときにミニ窯の話をすると

吉田明先生の雑誌のスクラップしたものなどを見せて下さり

色々と貴重なお話を聞かせて下さいました

御名前を聞きそびれてしまったのですが

妻有陶芸センターの所長さん ( ? ) でしょうか ?

吉田先生と御一緒に御活動もされていた御方で

今ではなかなかお会いすることのなくなった

煙草の似合う、とても気さくな先生です


以下は伺ったお話など


ミニ窯の本の写真で、電源の無い河原で団扇を扇ぎつつ

ミニ窯を焚かれる吉田明先生

それは、無理 と笑われながら

(無理なのか、ちょっと信じてたのに orz )


全国ミニ窯大会で審査員をされている


県の補助がなくなったので、全国ミニ窯大会を妻有で如何か ? という

お話がきているそうです

(もしかしたら、妻有で開催 !? ということも)


妻有の土を焼き締めると、折角の地元の土なのに

備前風ですね、と言われてしまう

作り手としては、どこかすっきりしない

そこでいろいろと研究を重ね

ここ妻有にたくさんある国宝の縄文土器を参考にした焼き物を作り出した

それが渦巻き模様の力強い焼き物

釉薬が掛かっているようには見えない

普通に焼かれたように見える部分でも、汚れが付き難いのだそうです

(どの様な工夫がなされているのかは伺っていないので

釉か何かが掛けられているのか、それとも普通の焼き締めなのかは

分かりません。 悪しからずです)


この縄文の渦巻き模様の器は好評で、製作が追いつかない


地元の長石

長石も当然に地元のもの

唯、埋まっている場所が少し違うだけで、全然違ってしまう

埋まっている土によって水の染み込み方が違うのも理由


窯詰めでは火の通り道を作るが、火は温度の高い方に流れるので

10℃温度が違うだけで、炎の流れが偏り、均一にはならなくなってしまう


檜や廃材だと炎は5〜6mくらい

赤松だと11mくらい


作家さんの中には購入した松灰を、金属のパイプ状のもので

炎の中に吹き入れる方もいる


ある作家さんの作品を見て、灰が違うと感じた

その作品は950℃〜1000℃位のときに

松の ‘ 葉 ’を窯に投入したものだった

(実際にその作品を見せて頂きましたが、オイラには当の然

区別がつかない、さぱすぱでした。どのような焚き方をされていても

正直に教えて下さり、こちらが納得した上で頂くのであれば

なにも問題はないのですけどね、なかなかに難しいようです)


美濃の土を作られている方

− この方は作家さんの土しか作られない −

この御方は作品を見ただけで

この作家は、土の粒子を揃えて (轆轤を) 挽いている

この作家は、土の粒子を踊らせて挽いている  と

分かるのだそうです

(備前でもかつては、作品を見ただけで

これはどこそこの崖の下で採れる土、こっちはどこそこの

池の傍の土という風に、地名だけではなくその場所を

ピンポイントで当てる方もいらっしゃった、というお話を

以前に伺ったことがあります)


戦後のこと

どこか焼き物を焼いているところを紹介しろと言われた

濱田庄司先生が ‘ 東京から近かった ’ 益子に

何人か作家がいる ‘ らしい ’ 、ということで案内をされ

その後アメリカの雑誌で取り上げられたことが益子発展の契機の一つ


お茶の先生曰く

お茶碗が割れてしまったので、お茶碗を買いに来たが

待てよ ! と思い

一度通り過ぎたにもかかわらず、そこから後戻りをしてでも

このカップが欲しい !

と思うような焼き物がよい焼き物


70歳を過ぎられた華道の先生

この御方は皇族が所有なさられている花器に

お花を生けられることもあるほどの御方なのですが

花器そのものに力のある花器に生けるときは

手が震えることがある、と


吉田明先生が縄文土器の研究をされた折のこと

40日間裸足、尚且つお風呂にも入られなかった

縄文人と同じ様に生活する為に


その縄文生活の間に、灰の熱さを ‘ 実感 ’されて

縄文時代の野焼きは器の中にも薪を入れて焼いたのではないか

と考えられた

(これが後の穴窯は焚いていないに繋がっていくのでしょうか)


吉田先生は触っただけで、どんな土かが分かる


どういう人間を、変わっている、というのかは分からないけど

吉田先生のことを、異端児だ、という人もいた


先生が吉田先生から譲って頂いた

三島手と山土の器を見せて頂きました

三島手は正統派だと思いました

誤魔化しの利かない、正統派


気が付けば体験後 1時間半ほども貴重なお話を聞かせて頂き

つい長居が過ぎてしまいました

妻有焼陶芸センターの皆様

本当にありがとうございました


体験作品は 2ヵ月後くらいに届けてくださるとのこと

自分で作ったものをあの奇麗な妻有の釉で仕上げて頂く

楽しみです !