窖窯 de 備前 PROJECT の展示報告と九谷など

hirunesai2013-10-27

9時前にいそいそと出発

倉敷の美観地区へ

車を停め、いつも通りカメラを片手に歩く

暫く散策した後加計美術館に

窖窯 de 備前 PROJECT の展示報告

入館料は無料也

展示内容は築窯や焼成のリポートと実際にフランスで焼かれた作品

それとそれらのスライド写真など


リポートやスライド写真はオイラ達素人には新鮮

窯の構造や焚き方など興味津々

展示室で説明されていた的野智士先生にスライド写真の窯の焚き方が

酸化のときの焚き方だと教えて頂く

薪の投入時に焚き口を結構長く開けていたり

投入する薪も一度に一本まるごとを窯に放り込むのではなくて

何分の一かを窯の中に入れ、焚口に薪を突き刺した様な状態で

焚いていた

おもろいな

後、熾の溜まるタイミングとかね


展示されている作品はフランスの土を

今回フランスで築いた窯で焼成したものから

フランスの別の窯で焼いたもの

それから、もう一度日本の窯で焼き直したものなど様々

釉薬を掛けたものなどもあります

その中でも藤森信太郎先生の様々な焼けのキューブ達は中々の壮観

フランスの土と備前の土それから滞在先の施設の土を

色んな割合で混ぜ、焼成したもので

本当に幅広い焼け味が見られます

素晴らしいです

因みにフランスの土100%だとやや黄味掛かる白の焼け

自然釉もちょっと白っぽいものが掛かっていました

基本的に少しざらっとした感じの焼き上がりが見られるようです

以前に信楽の土を夢幻庵さんで持ち込み焼成してもらったものに

ちょっとばかし似ているかな

焼けのちょい甘目な感じや少しざらっとした感じは


一通り拝見し

澁田寿昭先生は昼前頃に御出でになられるとのことなので

一度外へ


工房IKUKO さんに向かう

現在開催されているのは

イケヤン★展 2013

その中の常滑の作家さん達と牟田陽日さんの作品を拝見しに


ギャラリーに入り、早速にうろうろ拝見していると

売却済みの作品には手を触れないよう注意される

( もちろん、優しく丁寧な注意ですよ )

初めてなので驚いたが、売約済みの作品にもしもの事があっては

とのお心遣いだそうです

申し訳ありませんでした


少しだけですが牟田さんについて、ギャラリーの方が教えて下さる

最近は七宝を取り入れられたりしている

細かく描き込まれた上絵付けの為に、時に 5回も焼成される

この細かく描き込まれた絵付けは

実際にフルタイムで描き込んだとして

まる 2日はかかる程の作業だとか

決して仕事の手を抜くような方ではありません、とのお話でした


なのに、そんなギャラリーの方に対して

いや、あんまり描き込まれているものは五月蝿いので

好みではありません、と言い放つ俺ガイル

別に意地悪で言ってるんじゃなくてね

この作家さんの作品だとあまり描き込まれていないものの方が

好みなのですよ、単純に


そう考えると不思議なんだよねえ

西出大三先生の截金細工は細やかな文様なんだけど

好みだし、凄いなと思う

また、以前見た林原美術館の染付けは余白があるんだけど

好みだし、凄いなと思う

勿論、一人の人間だからといって

好みが一つしかない、なんてことはない訳だが

西出先生の截金も林原の染付けも

どちらも、視線が自然と動かされるというところが

オイラ的なポイントな訳なのです

全体、形、色、文様、余白の中でそれぞれが

主と成り従と成る

個人的に染付けを描いた職人はその事を分かっている気がして

ならないのです


って、テラ偉っそうなことを書いてしまいましたが

飽く迄オイラ個人の好みのお話です

そんなものとは関係なく、牟田さんの作品は素敵ですよ

牟田さんなりの止め所というのか落とし所

対象物の捕まえ方というのは、やはり独特な所があると思います

燕と松の蕎麦猪口、5040円也を頂戴しました

燕の喉の赤がお気に入りです


今回はグループ展で、しかも最終日なので拝見できる作品が

少なくて残念でした

牟田さん御自身で素地成形された作品や

伸びやかな線の作品とかも拝見したかったです


再び美観地区をうろうろ

頃合いに加計美術館に戻るも澁田先生はお食事で外出中とのこと

折角なのでミュージアムショップを拝見

つか、先生方の作品、ちゃんと販売されてんじゃないすか

1回目のときまったけ気付かなんだぞ   笑

責任者出て来なさい  笑


澁田先生が戻られたので少しばかり質問などさせて頂き

お話を伺う

取り合えず今回の展示報告で一区切り、ですが

まだまだこれからのスケジュールは目白押し


フランスの土でも窯変が出るが、出たり出なかったりの場合がある


耐火度が高い為、焼けが若干甘くなる


あちらでは引き出しなどのメタリックな金属質のものが好まれた


フランスの土は轆轤のどべが残って焼き上がる


あちらでの侘びの説明について

中々難しいもの

言葉だけで伝えられるものでもないし

作家一人ひとりの理解の度合いの差も大きい

また、あちらで勉強されている方は凄く勉強されているので

生半では、とのお話

現代備前では全てではないでしょうけど

やはり、切っても切り離せないことですよねえ、難しいです


侘びの件でもう一つ



外国で侘びの説明を求められた日本人

( 窖窯 de 備前 PROJECT の先生方ではないですよ )

なんとなーく感覚的には分かっているものの

いざ説明となるとしどろもどろ

ついに、説明を聞いていた外国の方のお一人が

その日本人に代わって、きちんと侘びの説明をされたとか

あまり笑えないお話


須恵器っぽく焼いた窯

最後に後ろの方から前の方まで薪をたくさん入れて

━ もちろん前の方は既に温度が下がりつつあるのですが ━

完全に焚口などを密閉してしまうのだそうです

それでもどこからか空気が入るので、窯を開けるときには

薪は全て燃えているそうです


その須恵器っぽい焼けからの次の展開ですが・・・

まあ、これは内緒

楽しみにしていて下さい

オイラも楽しみ


須恵器っぽい左馬のカップ ( であってます ? ) を頂戴しました

こちらはフランスの土をフランスの窖窯で焼いた後

日本でもう一度焼いたもの

白っぽい灰色や黒っぽい灰色の胡麻

一部カセ胡麻も

手触りはやはり少しざらつき感があります

あとグレーの緋襷も

どう変化するのか楽しみです


加計美術館をお暇し

天満屋で大判焼のプリンカスタードのやつを食べる

温かいの、結構おいしいよ


遅目の昼食

駄目、限界、車の中で午睡

一時間半程


その後、八木さん所に

先日買った浜松木櫛のひょうの木の櫛を土産として渡す

最初は自分用に買ったんだけど

あー、これは八木さんにあげるのが一番いいな

と、思ったので


100均で買い出し

家に帰り着いたのは21時前

結構に濃い一日やったわ

取り合えず、11月は

棚作り強化月間な

焼き物の置き場が無いよ  笑