師弟

hirunesai2009-12-10

9時過ぎ入ったばかりの

お給料をおろし備前

本日より閑山先生の工房にて

小橋先生の窯出し

入って入り口を閉めていると

たしか、以前・・・と、覚えていて下さる

先客に業者の方がお二人

小橋先生は風邪がまだ完全にはぬけていない御様子


ゆっくりと見させて頂く

やはり、センスが違うな

良いほうに備前と離れている

フォルムのまとめ方が良いしフォルムと焼けの組み合わせも良い

薄さ軽さも相変わらず

ころがしのぐい呑みやカップ類、お湯呑みを中心に選んでいく

あえて分割してある型物もおもしろい

先生は型の継ぎ目のテクスチャー感が好みとの事

お皿も良いです


悩んでうろうろ回っていると目を付けていたものが無い !

業者さんがチョイスしていかれたのだ !!

やっぱり良えもんは良えんよなぁ


ゆっくりとぐい呑み二つを選ぶ

ビアタンブラーっぽい形の薄手のぐい呑み

ころがしで筒型のぐい呑みの二点

筒型の抜けの部分の青がどう育つのか楽しみです


薄手のものはスアナに置かれたものですと先生

今回の窯の中で先生も一押しのものとの事

選んだものを、そういって頂くと嬉しいです

おっ ! やるじゃん俺 と密かに喜んでしまいました

同形の青のものも良かったです

ぐい呑みというよりインテリアになりそうな雰囲気で素敵でした


折角の窯出しなので小さめながらころがしの徳利も一つ

ぐい呑みが一つ3500円、徳利は2000円 (小さいとはいえ何故?) の9000円也

リーズナブルさも変わらずです


支払いの時、お釣りはミルク代にでもと申し出ると

いえ、そういうわけには と

まじめと言うよりも律儀なのですねぇ、本当に


先生にお礼を言って、閑山先生の工房の方へ案内して頂く


お手洗いをお借りして、工房へ入ると

小橋先生と閑山先生の奥様がいらっしゃる

お茶を頂き、閑山先生のお話などを伺う

焼き物の家柄だった閑山先生は学校を出られてすぐに焼き物の道へ

インベ陶芸に勤められた後、御自宅の畑に窯をつかれた


個展などは開かれずに、買いに来て下さる方だけで良い と


型物は先生が型を作り、奥様がその型で作られていた

今でも近所の若奥様に型を貸すことも


お客様の依頼のものを作る時に型を製作され、徐々に型が増えていった

遠方からは葉書での依頼も


奥様も焼き物にご縁の深い家柄

桃蹊堂さんや木村玉舟先生は御縁戚

こんなものを作ったらとかこんな風にしたらと御意見をだされていた

岡山弁なので、遠方から来られたお客さんだと少し気後れしてしまう


時々子供が箸置きを欲しいと言って、知らないうちにポケットに入れてしまい

困ることがある


(利次先生の)娘さんが焼き物の好きな人と結婚すれば

窯も土も全部揃っているのに と


展示場は古い建物。展示場にする前は牛小屋だった


裏手の神様と敷地内の神様の祠が壊れてしまった時

裏手のものは地区の方が直され

敷地内の祠は ‘家の敷地じゃから’と先生が直された 


先生は轆轤も手びねりも両方好きだった


小橋先生は閑山先生最後のお弟子さん


澁田先生も小橋先生も焼き物が好きなので

勢いが違う


小橋先生のもので良いものがありました ? と尋ねられたので

僕の中で小橋先生らしいと思うものがありました とお答えすると

本当に嬉しそうに微笑まれたこと


お客さんがお茶碗だけお貸し下さいと言って

道具を持参し、野点をして下さったこと


ぐい呑みを三つと海亀の箸置きを一つ頂く

手びねりで緋色。見込み一杯の抜け、口辺に黒胡麻が薄くのったもの

轆轤でころがし。灰を被り降り積もった黄胡麻が流れたもの

窯変と灰で抜けの部分以外ほとんどが真っ黒な手びねりのころがしのもの

これは融けた灰が煎餅とくっ付いています

3つで1万5千円なのですが、煎餅のくっ付いたものもあるからと

3つで1万円にして下さりました

箸置きは本当は五個一組で5000円なのですが

一つだけばら売りで1000円にして頂きました

すみません、本当にありがとうございました


また、いつでも来てくださいと仰って頂き、お暇を

奥様は身も心も すっとされた方 という印象でした


帰る前に小橋先生にもご挨拶

何度も何度もお礼を述べながら、何度も何度も深々とお辞儀をして下さる




帰り道陶苑さんへ

車が止まり入り口が開いていたので、少しだけお邪魔させて頂く

店長さんと御二方が片付けをされている

陶苑さんの写真を取らさせて頂き、お忙しそうなのでお暇

まだ大変そうでしたが店長さんはお元気そうでした




家に帰って今日頂いた閑山先生と小橋先生のものを並べてみる

違和感が無い

もし 閑山先生が生きてらっしゃったら、先生も薄手のぐい呑みを作って

こりゃあ 良えのぉ〜 と目を細められるかもしれない