白磁と南蛮

hirunesai2010-03-24

結局2時頃、紀の川万葉の里に

さっさと寝袋に入って寝る

7時過ぎ目覚め

8時半頃までぼんやり過ごす


道の駅の直売所で

柿の葉寿司と天日干しの梅干二袋、梅肉を買う

1100円ほど

梅干うまいぃぃ!!

塩が効いてるぅ〜

150円 130g入り (10個前後かな)

岡山で買ぅたら幾らかな

種の中のエキスもおいしい〜

梅肉も500g 500円でお買い得です

梅はもちろん紀州


腹拵えを済ませ、480号から県道4号線で天野へ

実は今回訪ねさせて頂く森岡先生は

場所はおろか連絡先すら分かっていない

情報不足

ただ かつらぎ町白洲正子さんが

のどかで美しい風景を褒められていたので

駄目元でも良っかと見切り発信


少し車で回って見たけど、案の定分からない


取り合えず丹生津姫神社に車を止め西行堂に向かう

雨、風が冷たい

上着を2枚着込みカメラを提げて歩く

古木が多く何とも謂えぬ風景


歩いていると、道具小屋の陰から

ててててて

と畦を何かが走っていく

  雉!!

野生の雉は三度目。慌ててカメラを向ける

ててててて と走って距離を取り、こちらを覗う

またててててと走り、こちらを覗う

数回繰り返す

最初は写真を撮るのに夢中やったけど

何で飛ばへんにゃろ ?

と、疑問に思う

雉が土手の影で見えなくなったので、歩き出す

7,8mほど歩いて振り返ってみると

メスの雉が走ってる!!

そっか、それで飛んで逃げなかったんだ

ごめんね


西行

昭和の再建ですが、地元の方がきれいにして下さっています

西行妻娘の墓と六地蔵

自然と手を合わせてしまいます

天野の空気の所為でしょうか

西行妻娘の宝篋印塔 鬼王の墓

不図、武相荘の石塔を思い出す

ひょっとして正子さんはここ天野のことを思って

御自宅の庭に石塔を置かれたのかな

丹生都比売神

世界文化遺産

反橋や本殿が美しく静かな神社です

うーん、来てよかった

社務所にて木彫りの寅がなんともユーモラス

一つ頂くことに。千円です

その折、神社の方に無理を言って森岡先生のお宅を教えて頂く

快く教えて頂きまして、ありがとうございました


車に戻ると11時半頃

うーん、中途半端

・・・・

つか、場所は大体分かったけど、全く連絡せずに押しかけるのも・・

うーん・・・

どこか先生の作品でも置かれているところがあれば、聞けるのになぁ

と言うことで笠田あたりまで戻ることに


戻る前に三嶋温泉の辺りまでちょいと足を伸ばす

峠の100円ショップさん

木材が売られてるところ

到着するとガレージなどに様々な木材が並べられてる

値段もお手頃

イデアと技術のある方には持って来いじゃないでしょうか

料金は料金箱へ。大丈夫なの ?

幅15〜18cm 高さ35cmほどの丸太を3本と

幅25cm前後 高さ11cmの丸太を1つ

500円×3と400円

小銭が無かったので2千円を料金箱へ

うむ、良い買い物をした


笠田駅近くの蔵の湯さんへ

森岡先生の作品は置かれていない

うーん、どうしよう

と思いながら運転していると、交番!!

おお、そうや。交番で聞いてみよう

中に入り調べて頂く

電話番号ばかりか地図までコピーして頂き

大変に助かりました。ありがとうございます


再び天野へ

途中電話をすると本日お邪魔させて頂けるとの事

やったー !

ご自宅に近付くと

薪が積んであるのが見える

車を止め、坂を上る

まずお弟子さんが迎えに出て下さる

奥には奥様の由利子先生

その後森岡成好先生御本人が窯場と工房を案内して下さる

大きさの違う薪窯が3基

実は、なんと、昨日窯焚きを終えられたばかり

そして、それどころか先生は明日から石垣島に行かれ、作陶

石垣にも窯があるそうです !

奈良と愛媛での個展に向けて大忙しです

御忙しい中お疲れのところにお邪魔してしまい、誠に申し訳ありません


成好先生は南蛮手、由利子先生は白磁を薪で(!)焼かれています


南蛮手

土は所謂陶土とは違うのだそう

先生は橋本の土や種子島、石垣の土を使われて焼かれています

焼き上がりの温度の幅が大変狭いそうです

八重山焼を再興されたいと石垣島に窯を築かれたそう


窯場の棚に御二方の焼き物が所狭しと並んでいます

成好先生の南蛮手 (焼締め、粉引き、灰釉など)

由利子先生の白磁

もうーー、一杯です

宝探しです


あちこち見ていると

成好先生にコーヒーが入ったからとお誘い頂く

成好先生、由利子先生、宮崎から窯焚きのお手伝いに来られたお弟子さんと

もう一人のお弟子さん お手伝いで来られている御近所の養鶏場の方

と6人でコーヒータイム

雨のため犬2匹もギャラリーとして参加です


南蛮手はほとんど分からないので教えて頂く

やわらかな風合いで、確りと焼締める

狭い温度帯で南蛮の赤や黄色などの様々な色を出す (難しそう ! )

持った感じも少しやわらかい感じです


最近では橋本の土が住宅地や高速道路のために手に入りにくくなっている


焼締めが認められているのは日本だけ

(東南アジアにもあるが、それらは安いからなどの理由)

茶道のお蔭


今回は宮崎のお弟子さんの他に福島のお弟子さんも来られていた


年6回ほど窯を焚かれる


30年くらい前、備前に来られ

六郎先生と焼肉を食べられたそう

真先生が焼き物を始められて まだそんなに経っていない頃だったとか

和樹先生がもう作家として活躍されていることをお話しすると

由利子先生が それじゃあ、私達も年を取るはずじゃわ

と嬉しそうに笑顔で仰られていました


星先生や隠崎先生ともお付き合いがお有りだそう


アメリカ人の備前女流作家さんが今どうされているのか、心配されていました


養鶏場の方はなんと倉敷の中庄御出身 !


宮崎のお弟子さんも南蛮手を焼かれているそうです

一旦(今日 !)宮崎に帰り窯出しのときにまた此方に来られるそう

宮崎では三人で窯を焚かれ、その他にも料理をしに来て下さる方など

周りの人に助けられながら頑張られているとか (御人徳ですね)

お名前を伺うのを忘れましたが笑顔の可愛いらしい方でした

宮崎で女流陶芸家で南蛮手で珍しいから

今から目を付けとけば と由利子先生もお勧めです


昔の備前では姫弟子は窯にさわらせてもらえなかったとか


今までにお弟子さんが二十人ほど


中国の龍窯などは上の方を焼いている頃には下の方で窯出しをし

下の方を焚いている時に上の方は窯出しと絶えず焚かれていた


てっきり粉引きかと思っていたら、白い焼き締めとのこと

今回の窯にも入れられているとか


白磁

今はほとんどが電気


由利子先生は形によって

有田、九谷、出石の土を使われているそう


石物は土物と仕事が全く別

(作業場も別々です)


壺へのこだわり

一生掛かっても納得のいくものは出来ないかもしれない


成好先生が宮崎のお弟子さんを送っていかれるとのことなので

再び窯場で拝見

南蛮手の焼締め小鉢(もちろんお茶、コーヒー用に) と

白磁の湯呑み(で合ってますでしょうか?)を頂くことに


南蛮手の小鉢は黒い含有物が融け薪の灰を被り

器肌の色はやわらかな赤茶から焦げ茶ですが

質感は煮立ったまま冷え固まり縮れたようです

見込みは液体を注ぎ込むと隠れた色が現れます

形も立ち上がりから飲み口にかけて良い形です


白磁は見込みに少し灰が降っています

その部分が少しだけ凹凸になっています が、

水やお茶を注ぐとその凹凸が立体感を増し、またなんとも良いのです

高台に少し より土の引っ付きがあります

色はほんのり青味掛かった白と少し黄色味を帯びた白

その二つの白が片身変わりになっています

釉の濃淡が青味の濃淡となり

不図 暖かく穏やかな海の中に居るような気になります

そして何と言っても釉の質感

しっとりとしています


この二点を頂こうと養鶏場の方に案内して頂き、由利子先生の作業場へ

ちょうど成好先生も帰ってこられました

コーヒーを頂いた部屋にてお支払い

二つで5000円

ガソリン代の方が高くついたわね と、優しく笑いながら由利子先生

お二人ともそれ以上何も仰いませんでしたが

かなりお安くして下さったようでした


みんなに使って欲しいから と由利子先生


これでも六十のときに倍にしたんじゃ と笑いながら成好先生


ありがとうございます



お礼を言って帰りかけると由利子先生が

休憩する時にでも食べてと柑橘系の果物をくださいました

御忙しい時にいきなり押し掛けて行ったにもかかわらず

ほんとうにありがとうございました