伊藤桂一さんの兵隊たちの陸軍史を読み終えた
戦争を知らず、軍隊にも行った事のない
私にはとても考えさせられる本だった
戦場でのことを今の感覚‘だけ’で
軽々に論ずることの非礼を改めて感じた
敗戦後の話について
(一部「兵隊たちの陸軍史」より抜粋及び要約させて頂いています)
中国
ある日本軍部隊の幹部が共産軍に招かれ御馳走された
宴会が終わると、なんと拳銃や軍刀などが無くなっている
(敗兵ながら)敢えて抗議をした
共産軍の幹部は、必ず取り返すと約束する
「われわれはいずれ協同して白人と戦う日が来るであろう。
その時のために御加餐を乞う」と
翌朝日本軍が目覚めると共産軍の姿が無い
盗まれた物も戻っていない
日本軍は相手の不道徳を怒った
が、しばらくすると農民の一団がやって来て、盗まれた品物全てを差し出した
当時の日本が中国にした事を考えると共産軍幹部の言葉に吃驚する
これだけ中長期で物事を見られるのか。凄い
(場所によっては敗戦後、より苛烈に共産軍と戦っていたところもあるそうです。
また、党の幹部は違うことを画策していた という話もあります。)
諸外国に蹂躙され、政治体制も目まぐるしく変わってしまったので
今の中国人は元々の中国人と変わってしまっているのだ
と、いう話を思い出した (もちろん今の中国は好きではないけれど)
ソ連はえげつないな
タイやベトナムの民衆は、どちらかといえば好意的で同情的に見送ってくれた
ラオスでは、勝った英仏軍よりも日本軍に味方をしてくれた
戦後、ニューギニア、ビアク島では守備兵が
白骨のままなお、洞穴陣地の守備についていた
しかし遺骨にはみな頭蓋骨が無かった
米兵が「 戦勝記念の装飾品 」として持ち去ったのだ