ことばのかたみ

昼過ぎ、多田富雄先生の

落葉隻語 ことばのかたみ

を読み終えた

読み終える間際

胸の奥が温かくなり

息が揺れ

理由も無い涙が溢れた

日本人だと思うた


夜、NHKスペシャル シリーズ日米安保50年

第1回 隠された米軍 を見た

興味深い。経済が発展し豊かに成ろうとも

日本人というものは何も変わっていない


原子力空母エンタープライズ佐世保寄港の折に行われたデモ

しかしながら、デモ参加者の殆どが学生で

一般市民の参加は僅か

しかもデモに参加した学生も3,4回生になると

就職の為、当たり前の様にデモ活動から離れていく

胸を撫で下ろすアメリカ


草食系男子は最近か、少し前に原因があると思っていたけど

これだな と思った

威勢のいいことを言ったって、その中身は私心が殆どを占める

今の日本人の根深い病理

大切なのは我が身


もう一点、サブタイトルにもなっている、隠された米軍

日本の反米を恐れたアメリカの策略にそのまま嵌る日本人

敢えて本質を見ようとせず、あきらめた振りをして

相手の所為にしながら、ただ私心の中に逃げ帰っていく

安全保障の話をすると

憲法9条があるから日本は平和でいられるんだ という人は

アメリカの掌の上から、同じ日本人に向かって喚いているだけだ


アメリカが自国の国益上、日本の基地を手放したくないということ

9条の理念は素晴らしいものだということ

どちらも正しい

だが、好むと好まざるに関係なく、現実

憲法9条と日米安保は表裏

良い悪いと現実は当然違うものだ

違うからこそ、時には私心を捨て、現実を見なければ

本質など見えはしない

本質を見ぬ正論は、何も動かさない


自己の利と時代の表面。薄い表面

私心に寄り掛かりしがみ付き、時代の表面に包まれた安堵の眠り

恥ずかしいと思うことと恥じらうべきことの区別も無い