鍋島青磁 !

hirunesai2011-10-08

昨日無事に23時41分博多着

いつも通り電車の中では爆睡でした

少し駅周辺をうろつき、ローソンへ

ちっ、トレカはもう無いか  笑

ネカフェに入り読書

やっと、へうげものの途中の読み抜けていた部分を読み終える

1時間ばかし寝

5時過ぎには出立

昨夜とは別なローソンを2,3件

やはりトレカはもう無かった  笑


気を取り直して? 早朝の駅へ向かう

そのまま福岡地下鉄空港線、JRと乗り継ぎ9時20分頃伊万里に到着

伊万里駅から西肥バスの大川内山行きに乗り、大川内山へ(150円です)

そう、本日の目的は大川内山の鍋島焼なのです

つか、今回の旅の目的が鍋島焼の鍋島青磁

長春青磁陶窯さんの青磁なのです !


取り合えず窯元さんを順繰りに見て廻る

(但しバス停から下の窯元さんは拝見しておりません。御容赦を)

磁器は・・分からん!  笑

ので単純に好みで見て廻る

それでも白磁にしろ青磁にしろ、絵付け染付けの色味にしろ

窯元さんによって様々

色絵の絵柄や線も様々

なので買う方も、楽しく、真剣に選べます


雰囲気のある磁器の町を心地良い秋空の下見て廻り

いよいよメーンイベント、長春青磁陶窯さんへ

展示場に入ってすぐ、爽やかな青色の青磁達が目に飛び込んでくる

まあまあまあまあまあまあ ← 6回

来て、大正解っす!!

磁器分からん青磁も詳しないオイラでも、違いが分かってしまう〜

流石っす!!

流石に大名、将軍家への献上品の流れを受け継がれ

守られている鍋島青磁っす!!


長春青磁陶窯さんの青磁釉は、大川内山で採れる青磁陶石から釉を作る

もちろん灰も使うのですが、現在の青磁釉に使用されている

酸化クロムなどは入っていません

江戸時代、献上品として名を馳せた

鍋島青磁の製法そのままの青磁なのです

この製法で焼かれているのは、現在では長春青磁陶窯さんだけだそうです

当然に歩留まりが悪くなるのですが

この釉薬でなければ求める色が出ないのだそうです


青磁のイヤリングもありましたが、半端な宝石などより遥かに綺麗!

以前宝石のルース集めに嵌った程度で、そんなに詳しくはないですが

間違いなく、綺麗!

指輪、ペンダントヘッドなども作られれば好いのに〜


長春青磁陶窯さんでは、嘗ての中国の最高の青磁を目標に焼かれているとか

陶器は朝鮮半島の影響が強く

磁器は中国の影響が強い


2ヵ月に一度、小さな窯で焼成

青磁は大きな窯だと真ん中の一部分のみでしか焼くことが出来ない

それほどに発色が不安定なもの

また貫入のこともあり

所謂、青磁は身代を潰す です

まして求める青となると


焼成は合計3回、70時間以上にものぼられるとか

こちらの釉薬は粘度が高く、融け具合が難しいので

器胎も天草の磁土を使い微妙なブレンド、調整をされているのだそうです


釉の厚みのあるところほど気泡が大きく


彫りは彫り加減が難しい


光を透かして見たときに釉と胎土が一体になっているように


陶器の青磁(いわゆる青瓷になるのかな? )もあります

こちらは複雑な貫入が十重二十重に入っていて

育てる楽しみがより大きそうです

釉は磁器も陶器もまったく同じものだそうです


先日も中国の陶作家が数人来られ

その見事で美しい青色に感嘆されていったとか


2点頂戴いたしました

ぐい呑みと花入れ

ぐい呑みは高台脇の溜まった釉の色と見込みの青さがポイントだったの

・・・ですが・・・花入れ?

オイラが?

鼻紙入れとかじゃなく?

そう、花入れです

徳利として使います !  笑

実際に水を入れて注ぎ具合切れ具合を見せて下さいましたが

やはり当然ながら、切れは悪いです。当たり前  笑

でも、色と形が(お値段も 笑) 気に入ったのでこちらを頂きました

徳利として使います !  笑

本当は手元に置いて眺めているだけでも好いのですよ

この美しい青磁は


上代ぐい呑みが8000円、花入れが4500円でしたが

3連休の初日という事で、なんと!

ジィャスト 1万円!! にして下さりました

ありがとうございます

危うく、もう1点買いそうになりました  笑


いろいろとお話も聞かせて下さり

本当にありがとうございました


さてさて、今回の旅の一番の目標は達成されたので

あとはまだ見ていない窯元さんや唐臼小屋

伊万里・有田焼伝統産業会館などをのむびりと見て廻り

伊万里鍋島焼会館で遅めの昼食

気が付けばなんだかんだと4,5時間ほど楽しんでおりました


長春青磁陶窯さん以外で個人的に好かった窯元さん

鍋島御庭焼さん

色、細やかな絵柄はいうまでもなく、釉の厚み色絵の奥行き

細部に渡る丁寧な仕事などは必見です

岳山窯さん

色絵。少し控えめな色使いながらも

その色が持つやさしく温かな存在感が好みです

とくに黄色が好かったなぁ

瀬兵窯さん

釉の厚みのあるもの、古伊万里の柄のものがお勧めです


再びバスに乗り伊万里駅まで

伊万里駅(MR)の2階の伊万里・鍋島ギャラリーへ

入場300円なり

やはり献上品は流石ですなぁ

次いで海のシルクロード

海のシルクロード館では本に掲載する為の写真を撮ってました

それからシルクロード館隣の陶器商家資料館(旧犬塚家住宅)へ

ボランティアの方がいろいろと説明して下さいました

以下、その説明より

古伊万里とは明治初期頃までに伊万里から出荷された磁器の総称

必ずしも伊万里や鍋島で焼かれたものではない

(天津甘栗と同じですな)


磁器も米と同じで一俵二俵と数えていた

藁で梱包し、すぐ傍の伊万里川から

小船で沖合いの船に積み替え出荷していた為


昭和42年の水害の為川幅が拡げられて

昔の面影は残っていない


日本の商人町の商人の家が細長い作りなのは全国共通

間口の広さによって決まる間口税の為


当時は全国から商人が集まり犬塚家の2階に3ヵ月ほど逗留していた

その間商人同士や陶器商の旦那などを互いに招きあい接待しあった

各地の情報をもらう為だとか

(やはり嘗ては技術も情報も人が持っていた! )


資料館の建物自体が捻じれて歪んできているが

なかなか直してくれない

(伊万里市さん、なにやってんすか、早く早く)


印象に残ったのは、と言ったところでした

ボランティアの方、いろいろなお話を聞かせて下さり

ありがとうございました


その後ふらふらと散策

思ってたより磁器の販売所が少ないな

古川陶磁器さんというお店に寄ってみる

そこで教えて頂いた話

柿右衛門先生は釉の灰を作る為の柞の木を育てられているとか

時代の中で変わるもの変わっていくもの

時代の中でも変えぬもの変わらぬもの


少し早いけどビジホに入る

少し読書をしたあと直ぐに寝落ち

2、3時間後に起きて片付けやら風呂やら

飯の後(コンビニ弁当ね 苦笑) 今日頂いた

青磁を眺める

綺麗

あまりの色味に、にやにやが止まらない

ほぅー と、しばらく眺め見入っては

にやにやにまにま

また、ほぅー と、眺め見入っては

にやにやにまにまを繰り返す

本当に不思議な青色

ぐい呑みの見込みは当然にぐい呑みの底でもあるのだけど

このぐい呑みの見込みの青を見ていると、そんなことは忘れてしまう

その向こう側にもずっとこの青色の世界がしばらく続いているのでは

と錯覚してしまう

花入れも同じ。当然釉薬がありその内側には器胎があり

その中は空洞なのだけど、そう理解しているのだけど

花入れの中の空洞にまで、この釉薬の青が広がっているような

そんな錯覚におちいってしまう

光の加減により微妙に青が変化する

磁器の冷たさはなく しっとりと

また飴細工のような温かみをもつ

暫しこの花入れは磁器ではなく

この青い釉薬だけで出来ているのではないか、と楽しむ


お休みなさいませ