安田さん窯出し ’ 13

hirunesai2013-05-16

昨日のこと

今週は遅勤なれど

いつもよりも早目に起きて

13時半頃 安田龍彦さんの自宅工房へ

お会いさせて頂くのは昨年の備前焼まつり以来


お会いして挨拶の後で

と、ある事実が判明・・・

折角案内状を頂戴しておきながら・・・

まさかの・・・出遅れ・・ってこと・・かな ?  パッツン唯aa(ry

くはっ


気を取り直して拝見です

パァーっと見た感じ、今回は、白い抜けの部分が割りと良い感じ

すっきりと抜けていて、品のある色味です

( そのような徳利もあったとか、くっ )

それと豊富なお皿

豆皿から大皿まで焼けの良いもの − やはり大皿は見応えがある − や

育ったらいい土味になるだろうなあというものが其処彼処に

料理の出来ないオイラでも、このお皿なら刺身をのせたらいい感じぃ

なんて想像してしまう

食器類は業者さんの成約済みの紙の置かれたものがいっぱいでした


食器は売れ筋と言われるだけあって、デザインも定番のものから

かわいい物、打ち込み、安田さんらしいヒューモアに溢れたものなど

今回の窯では擂り鉢型の片口もたくさん焼かれています

( 安田さん曰く「古備前を見たから」と笑われながら )


今回の窯

最前列の辺りはいい感じにあがったけれど

その後ろの棚の辺りはもう一くべ、二くべいっとけばよかったかな、と

あ、地震の被害は特に無かったそうです

2階から直ぐに窯焚き中の窯場に下りていかれたとか

棚板が倒れたりとか、どなたかが怪我をされたりしなくてよかったです


古い花入れ

安田さんの御実家にあったもので、多分江戸時代、少なくとも明治頃のもの

お爺様がお好きだったそうなのですが、お父様の方は全く興味がなく

もしかしたら、もっと良い物があったのかも と


ご家族全員が A型


お子さんが小学生の頃、耐火煉瓦で作った小さな窯で

一緒に埴輪形の貯金箱を焼かれた


炭は使わない


登り窯の屋根の崩落

登り窯の横壁は真っ直ぐではなく、内側にやや傾斜がつけてある

→窯焚きで膨張収縮を繰り返す内に、崩れたモルタルなどが隙間に入り込み

 冷めて収縮しても窯が元の形に戻りきれなくなり、窯の形が少しずつ

 歪んでいく

→同様のことが横壁でも起こり内側方向に傾斜のあった壁が

 徐々に真っ直ぐから外側方向の傾斜へと開いた形になり

 ある程度まで壁が開いてしまうと・・・

それなので補強の為に鉄枠を嵌めてある窯もあるそうです

ミニ窯の針金補強みたいな感じでしょうか


煙突を焚く

まず煙突の下にある焚き口で煙突を焚いて

引きの流れを作った上で窯の焚き口に火を入れる

( 焚き口の有無は窯によりますし、当然焚き方も人によります )


焼けが良いのに歪んでしまったものは

作り手の気持ちとしては・・・複雑

どうしても焼けが良いものは、火の強いところのものが多くなるので

仕方がないんですけどね・・・


焼成後や窯詰め時の写真を見せて頂く

本当だ、思ったほど詰まっていない


それにしても同じ土で同じ様な胡麻が掛かっていても微妙に違う

同じ胡麻でも、窯詰め場所のちょっとの違いで雰囲気が変わる


今回頂いたもの

筒茶碗

二度焼きのもので、二度目は匣鉢詰め

見込みの色味と胡麻がなんとも言えぬ色合い

黒く焼ける土で口辺のところの融けた胡麻が

透き通った茶色のガラス状になっているのも綺麗だし

鎬跡に乗った胡麻を上から眺めるのも好いなあ


伏せて焼かれた酒器

白く焼きあがる土にやわらかな白っぽい茶色の胡麻

見込みには緋襷

口のところの向勢な形と相俟って全体が優しい雰囲気

腰の所のカセ気味の胡麻がアクセント


灰被りの酒器

踊るように融けた熾きの照りがなんとも

高台脇のねっとりとした紫蘇色

見込みの土の黒、グレーの複雑な発色


緋襷の酒器

匣鉢詰めして焼かれたもので

水を含むと器胎の白さと緋襷のオレンジ掛かった茶色の対比が

一段に鮮やかになる

腰から高台にかけての堂とした雰囲気が風格を上げる

贅沢なことを言い過ぎなのを承知で言わさせて頂くと

腰の箆目は一つの方がよかったです

( 生意気なことをすみません。まあ好みの問題ですけど )

実は窯出しの案内を拝見した折りから目を付けていたタイプ


打ち込みに緋襷の豆皿

打ち込みは二種類の土使い

胡麻はほとんど乗っていないけど素敵な土味に育ちそう


5点で16800円

のところを

15000円にして下さいました

すみません、いつもありがとうございます


安田さんに見送って頂きながら

派遣先へと向かう


来年も楽しみです !