0時半過ぎ出立
5時過ぎ、法隆寺の前を通過
・・・・
うーん、どないしょ
朝方奈良に着いて
少し仮眠を取る心算やったんやけど
まったく眠たない
暫く車で流していると、大神神社さんの案内看板が目に飛び込んで来た
せやな、せっかくやし大神神社さんにお参りさせて貰お
と、いうことで急遽大神神社さんに向かう
大鳥居傍の参詣者用の駐車場に車を停めて、てくてくと
他の参詣者が皆、鳥居の前で頭を下げている
慌てて同じ様に頭を下げ鳥居をくぐる
暫く進むと空気が変わる。穏かでどこか大らかな空気
宿られているというよりも御座しますという感覚
拝殿から御神木に参り、なでうさぎの書鎮を頂いた後
なでうさぎをなでさせて頂く
久すり道に入って少し、また空気が変わる
そのまま磐座神社を過ぎ狭井神社へと向かう
朝の緑の中に鮮やかな朱色のお社が目に映る
市杵島姫神社のお社が池のお上に
狭井神社でご神水を頂く
まろやかなお水
花を愛でながら展望台から久延彦神社へお参りし
再び拝殿前を通って成願稲荷神社
屋根の勾配と鬼瓦が好み
更にその先の金屋の石仏にお参りして
三度拝殿に戻って、のんびりと車に戻る
古代の空気もこのようなものだったのだろうな
明日香で飛鳥の蘇を購入し
そのままドライブをして、とある場所へお参り
そこで飛鳥の蘇を食す
思っていたよりおいしい ! 牛乳の風味を感じつつ
古代のチーズというよりも品の良いお菓子といった味わい
此の場所はいつ来ても草や木や花、閑やかな水の流れ
生けるもの達に迎えて頂ける
そしてやさしさと穏かさに満たされた光
今日は少し強めの風が吹いている
此の風の心地好さは殊の外
再び明日香へ
土地勘がないので暫し迷いながら
なんとか時間前に目的地着
本日は水谷草木染さんにて草木染めの体験をさせて頂きます
水谷草木染さんの体験の特徴は、なんといっても
美しい多色染め
植物が持っている美しいそのままの色なのです
で、前もって一つだけ
水谷草木染さんでは所謂媒染をなさいません
ですから、一般的な草木染めよりも色が落ち易く褪せ易いのです
え ?! 何故 ??? 何で媒染をしないの ???
当然ながら落ち難く褪せ難い方が一般的には歓迎されます
それを敢えて媒染なさらないのです
理由は、草木が元々持っている美しい色を知って貰いたいから !
媒染をすればどうしても元々の色と変わってしまう
そうではなくて草木が持つ本来の色を体験して頂きたいので
敢えて媒染をしない
色落ち防止は染液に浸けているときに出来るだけ高い温度 ( 80℃ ) を
保つことと、乾かした生地を高い温度でアイロン掛けすることで
この辺りのことは個人の好みも大きいかとは思いますが
個人的な結論から述べさせて貰うなら
媒染なくても好い !!!! です !!
本っっっっっっ当−−−−−に
綺麗な色ですよ、草木の持つ色は
さて、体験です
今日教えて下さる水谷先生は本業が
森林インストラクター
この森林インストラクターになられてから
草木染めと自然素材を生かしたお料理を始められたのだとか
始められた理由は、女性に森林の保護や管理などについて
関心を持って頂きたいから
一般女性の多くが余り森林の保護や管理に関心を示されないそうで
どうしたらええんやろう ? ・・・と
そうや、綺麗なものやおいしいものやったら
女性は割りと高い興味を持ってくれはる !
そこから関心を持って貰えたら、森林を生かすことにも繋がっていくわ !
ということで始められたそうです
独学ながらも既に18年程されていらっしゃるとのこと
まず始めに染める生地を選びます
先生は当然ながら生地にも拘られていて良い生地が揃っています
なんと、態々頼んで仕立ててもらっているそうです
地の模様も豊富ですよぉ !
オイラは T シャツを 2枚
1枚は先生が用意して下さったもので後の 1枚は実は
可也無理を申して持ち込みをさせて頂いたもの
勿論前処理は自分で済ませて、尚且つ全く染まらなくっても
完全に自己責任で、と納得済みの上でです
理由はお絵描き染めの下準備にめためた時間が掛かるから
結果的にお絵描き染めは失敗、やったんやけど 笑
でも、染め自体は十分綺麗に染まりましたよー
生地が決まったら見本を参考にしながらデザインと色を決めていきます
こういった染めの模様、ちょっと難しいものもあるのですが
基本的に再現性の高いものばかりなのだそうで
それは色が落ちてきて染め直すときに、その方が便利だからというお話
なるほど、ですね〜
再現性が低いと確かに染め直すときに大変
因みに先生が用意して下さった方の T シャツは
その生地が破れるまでの間くらいは前処理無しで染め直し可、だそうです
それほど前処理、所謂豆汁ばかりではなく、その前段階からの拘りなのです
デザインと色を決めたら仕込みです
オイラは持ち込みが上側下側の 2色か、染まり具合を見て 3色で
もう 1枚が群雲で
群雲の準備
棒にアルミ箔を巻き付けて、それを群雲が流れる方向に向かって
強過ぎず弱過ぎずな力で巻いていきます
完全に巻けたら生地を両端から中央へ
出来るだけ均一な力で縮めていきます
縮めたら戻らない様に輪ゴムなどで固定
染液に浸けます。浸け方
群雲の方は栗のイガの染液に斜めにして浸けます
片方が染まったら水で余分な染液を流し
今度はまだ染まっていない反対側を杉の葉の染液に
こちらも斜めにして浸けます
この杉の葉、色のコントロールが難しくて
ピンク〜赤〜茶色と、どの色にどの程度染まるかは
その時にやってみないと分からないのだそうです
なので同じ日に同じグループで杉の葉で染めてみても
色が全然違うということがあるそうです
栗 ( 少し暗めで渋い緑色 )、杉 ( 赤茶 ) と染めた後
先生の提案で李の樹皮の染液を差し色として入れる事に
染まる色は紫です
これはお玉で掬い、生地に掛けていく方法で
適量を60回くらい掛けます
群雲の方はこれで完成 ( 実際は 2枚同時進行なのですが分かり易くね )
もう 1枚の方
まずは染まり易い玉ねぎの皮の染液で染まり具合のチェック
なんせ、素人ずぶずぶの前処理ですからね
染まり具合は、先生的にはこれだけ染まれば十分でしょう
オイラ的には十分過ぎ、です。多少の斑はあるものの
これだけ鮮やかなオレンジに染まれば、十分過ぎの大 OK ! です
( 因みにですが、一般的には木の方が染まり難くて色が落ち難く
木と比べるとですが、草の方が染まり易く色が落ち易いのだとか )
染まり具合を見て、先生も ほっ とされた御様子
持ち込みの場合、前処理が拙いと本当に全く染まらないこともあるので
折角来て頂いたのにがっかりとされて帰って行かれるのを見るのは
本当にお辛いのだそうです
また、今はそうでもないそうですが、以前は体験の前日に
ちゃんと染まらないのではないかという不安から
眠れないことも珍しくなかったとか
玉ねぎのオレンジの次はセイタカアワダチソウの茎と葉の染液
染まる色は黄色で今がベストシーズンなのだそうです
同じ植物であっても時期や採取する場所で微妙に違いますし
生地、前処理、温度などでも微妙な色味の違いが出ます
実際に先生が前処理をされている別な生地で染めた黄色と
オイラの生地で染めた黄色では
同じ黄色でも微妙な違いが出ていました
そしてこちらも先生のアドヴァイスで 3色目を入れる事に
茜の根の染液。勿論赤です
こちらも 3色目はお玉で
上の黄色、下のオレンジ部分に滲むのですが
それがまた、好ましい !
こちらもこれにて完成 !
先生が不図思い出されたように、どちらから来られたんですか ?
とお尋ねになる
岡山からです、と答えると、大変に感激して下さる
いえいえ、これだけの綺麗な色で染めさせて頂けるんですから
十分に来る価値がありますですよ
鮮やかながらもやさしい風合いはやはり自然のものならではですよね
美とはひとつの経験である、を地で行かさせて頂き
貴重な体験をさせて頂きました
先生が染めた T シャツの持ち帰りの用意をして下っている間に
体験後のデザートを頂く
コーヒーとあすかルビーのゼリー
このあすかルビーのゼリー、美味しいの !
いちごの味と風味が確りと感じられて、尚且つ程好い甘さ控えめ感
とても美味しかったです。ご馳走様でした
体験についてですが
通常はハンカチ、ストールなどで ( 勿論その他の生地もあります )
時間的な目安は 1時間〜 1時間半程とのこと
因みに T シャツは 1枚2500円です
その草木の持つ美しい色への拘りは
控え目でチャーミングな一女性のものとは到底思えない程のものがあります
拘りの深さ、自身に対しての厳しさは
本業の森林インストラクターから学ばれたものでしょうか
自然に対する素直な思い
草木の持つ美しい色への感動を持ち続け
その色に対する思いは敬虔ささえ感じられます
水谷先生、貴重な体験とお心遣い
ありがとうございました
草木の持つ色
その生命の色を頂くことは
花をたてることとなんら変わりはない