まるで、幾星霜の時をかけて
流れ落ちたのではないか ? と思わせる
五石甕の美しい玉垂れ
13時前の電車で岡山駅へ
連絡通路を通り岡山シティミュージアムに
森陶岳先生の大窯展を拝見する為
もう、ですね
ゆったり、大らか、重厚な焼け
流石の大窯 !
窯変もダイナミック ! でした
本当に凄かったです
あまりのダイナミズムに大きさの感覚が麻痺してしまい
‘ 大 ’ 壺が‘ 中 ’ 壺に見えてしまうほど ( 笑 )
ただそのような景色とは裏腹に
作品の佇まいと申しますか、雰囲気は
とても静かなものでした
焼けも多彩で赤味の強い緋色に美しい胡麻
またい赤、艶やかな緋襷、素地が黄色くなったものや
渋く美しく抜けた青、乳濁した灰被り
殊に一石甕の石爆ぜなどは
得も言われぬ美しさが感じられました
個人的に気に入った作品は、会場左手の
古備前です。と言われても、まったく疑わない、三耳壺
緋色の絶妙な赤味と美しい灰の掛かり方
また、五石甕右手の窯変花入
これだけ艶やかで華のある灰被りというのは中々お目にかかれません
300年後に如何育っているのかを見てみたいです
それから会場奥手の鶴首の蕪の花入れ
重厚で濃い紫蘇色、肩の辺りの水辺のような煌き
結局 1時間半以上拝見したのですが
大窯の作品と自分の周りを
大きな炎がゆったりと流れているような
不思議な感覚にとらわれ
とても心持ちの良い体験をさせて頂きました
森陶岳先生、ありがとうございました