何十年か前の日本にはあったもの

白洲正子さんの「 縁あって 」 という御本を

過日拝読した

その中の、思うこと という章に

職人、と題したお話を書かれている


鈴木嘉右衛門といわれる畳職人さんのお話なのだが

鈴木さんが二十一になるりっぱな息子さんを連れて来られた折に

こんなことを仰られた

( 以下 「 縁あって 」 306頁より引用させて頂きます )

この仕事はどうしても、十五、六の時にみっちり仕込まなくては

物にならない、もし高等学校に行きたいなら、いっそ畳屋はあきらめて、

大学へ行くがよい、「そう申しましたら、自分でこの仕事を選びました」

とうれしそうにいった。

( 引用ここまで )


自由、個性とはいったい何であろうか ?

個性をのばす教育とは何であろうか ?

どちらも一人の人間として真っ当に生きる為のもの、なのではないか


少なくとも何十年か前の日本にはあったもの