朝の六時迄夜勤の休出だったのだけれども
1時間程の仮眠の後
佐伯の安田龍彦さんの自宅工房に向かう !
今回の窯 ( 焚かれたのは 昨年の 11月 ) で二十回目になられる
12月に大阪での個展を経て
昨日土曜日からの窯出し展示
睡蓮鉢を焼かれる為、今窯は 600℃迄を
いつもよりゆっくりと、普段は 焙りの後
1時間に 5℃の昇温のところを
今窯では 3℃の昇温で、抑えて焚かれた為
後ろの横焚きで少し御苦労があったそうですが
その分焼き上がりは白地に緋色のコントラストが
美しいものが多かったり、また胡麻もいつもに比して
重厚な美しさを備えた作品が多く
焦げの胡麻も景色の多彩な作品が見られたと思います
殊に牡丹餅の角皿は風雅なものがありました
( 今回は腕の部分で焼かれるのに投げ入れた割り木で
作品が割れるのを防ぐ為、童仙坊で L字型のカヴァーを
作られたそうです ! )
お客様の要望などでサイズのヴァリエーションも
増えておられましたので好みの食器探しも
より探し易くなったのではないでしょうか
さて、早速に拝見したのですが
やはり、まずは酒器から
その中で小振りならっきょう徳利、胡麻が幾重にも重なり
水気を含めば さぞ美しかろうという風な、を手に取りながら
女性が家で静かにお酒を楽しむ折にでも
こういった酒器を使えば、雰囲気もあり良かろう
と思ったのですが、最近の女性から見た陶器とか
備前焼 というのはどのように感じられるものなのでしょう
少し横道に逸れてしまいましたが
以下、伺ったお話等を
12月の個展の折にはお華の先生自らが
作品に花を生けて下さった
被せの徳利は口当たりが悪くなり難い
水指などの中に被せの徳利を入れることが多いそうです
因みにですが 種壺の水指で美しいものがありました
備前の某先生はお酒が入られると・・・
今回、蟹の細工をくっ付けた焼酎杯を
焼かれておられましたが、その蟹は沢蟹とのこと
最近、近所の泥鰌が減ってしまった
すり鉢宝瓶は波佐見焼の御友人が
こんなの 作ってみたけど、と教えてくれたので
作ってみた
中に溝が彫ってあるので擂鉢としても使えます
写しなどを作る時は、直ぐ傍に本歌のものがないと
苦手
奥様がお茶を点てて下さり頂いた折のこと
茶筅をのの字に回すのは最後だけだと教えて頂く
Σ(゚Д゚)
いや、今迄 おかしい と思っていたんですよね
のの字に回してあんなにシャカシャカ回せるはずがないって
つか、どう見てものの字じゃないじゃん、って
長年の疑問が解決いたしました
ありがとうございます
窯出し時などの写真を見せて頂きながら説明して頂く
安田さんの窯の焼成室にロストルがなかったので
ロストルの話になったのですが、作家さんの中には
ロストルの代わりに鉄パイプを入れて焼かれる人も
居られるのだとか
今度ミニ窯でやってみたいです
寒風の白く焼ける土は 2種類あり
一つは単味でもう一つは 2種類をブレンドして使う
白の色味も微妙に違い緋色の色味もまた違います
生けるお花などは自分で取りに行った方が
勉強にもなる
茶入れを拝見していた折
ふと、楽しんで作っておられる様な気がしたので
安田さんに伺ってみる
楽しいです、とのお返事
頂いたもの
黒く焼ける土の酒注
上から見ると瓢形になっており
以前の作品をもう一度焼かれた作品の為
艶やかな黒地の上を黄、青の胡麻が
揺らぐ炎の様な形で流れており美しい
腕のところでも手前の弱冠温度の低い所で
焼かれたものだそうですが
濃く暗い紫蘇色、黄、青、焦げの胡麻が
カセていたり流れていたり
特に融けた焦げの胡麻の黒が独特の黒色
面取りぐい呑み
明るいグレーの上に透明感のある自然釉や
花のような胡麻が乗る
高台を横に流れる黄から青、そして黒へと変化する
玉垂れが見事
高台が少し高くなっており、少し どしっ とした感じが良く
面取りの感じも少し大胆な感じになった様な印象を受けます
すり鉢宝瓶
落ち着きのある焦げ茶にシックな黄胡麻
育った後の変化が楽しみ
豆皿
穏やかな緋色に打ち込みで蝶の描かれたものと
蜻蛉が描かれたものを一つずつ
大胆なタッチが好いのです
お安くしてくださり 18000円程
いつもありがとうございます
窯場で割れることなく無事に焼き上がった
睡蓮鉢を拝見
80cm 程の作品で碗形ではなく朝顔形のもの
これは難しい
その後 窯のお話などを
煙突まで 15m 程
備前の作家さんでは 8m 程の窯の方が結構多いそうなので
略、倍の長さです
高さも 1m 70cm くらいとのこと
大きな窖窯です
安田さんに見送って頂き自宅工房をお暇す
気が付けば 2時間半程もお邪魔しておりました
安田さんありがとうございました