轆轤体験の削り

朝、9時前

ぎゃらりぃ松風さんに

本日は昨日の轆轤の削りをば

 

まず先生が 2碗、削りをしながら

説明をして下さる

井戸茶碗の削り

高台側面の竹の節

高台内の兜巾

削りの皺

曲線の整え等々

そして唐津のポピュラーな削り方ですが

まず轆轤に粘土を乗せて

それを上に長く挽き上げ

その上にガーゼなどを乗せて

削る器物を乗せ、削るという方法だそうです

ただ今日はオイラのレヴェルに合わせて

轆轤に直乗せしてから粘土で固定して

削るやり方を教えて頂きました

因みにですが

唐津のポピュラーな削り方だと

素人には心出しが難しくて

意図しないままに

三日月高台になってしまうことも

あるそうです

 

では、井戸の削りです

まず一番最初にすることは

厚み、の確認

それから削りに掛けるものを

轆轤の上に逆さに ( 高台を上に ) して置き

きちんと心出しをした後

4ヶ所を粘土で固定します

このとき「 固定する粘土だけ 」、を

必ず「 上から 」押さえること

内向きに押さえたり

削りを掛ける作品に力を加えたりすれば

作品が歪んだり、下手をすれば

ひび割れたりする為です

あと、きっちりと押さえておかないと

削りの途中で外れてしまうことも・・・

つか、外れました   笑

 

轆轤にセット完了したら

厚みを見ながら高台の上側脇

( = 畳付きの脇部分です ) を削り

ある程度の大きさにしてしまいます

底の厚みが厚過ぎる場合には

ここで畳付きの部分を削り

高台の高さも整えなければなりません

そして高台脇の下側部分、器の底部分を

出来るだけ削り皺を残しながら

削っていきます

形、大きさを整え

削った部分と削っていない部分を

曲線で均します

このときの両側の器の底の

曲線を延ばしていくと

二つの線は高台の真ん中辺りで

交わることになります

 

次は高台内の削りです

兜巾の頭が高台より低くなる様に

高台内の真ん中辺りを少しだけ削ります

高台内を中心から外に向けて

削っていきます

で、削り完成 という感じです

 

3碗目を削り、先生に直して頂く

特に気になる点は

見込みの大らかさが全然足りていない

ということと

茶溜まりが急過ぎるとのこと

 

4つ目

あーでもなくこーでもなく、と

何度も削り直す

既に10時過ぎ

2碗で一時間

1碗、30分    笑

下っ手っぴーですな

なっちょらん !

なんとかかんとか削り上げたものの

先生に見て頂くと

「 大き過ぎる ! 」 の一言でした  笑

なっちょらん

 

4つ目を直して頂き

削りは終了

 

さて幾つ焼いて頂こう

体験の土は 1 kg なので

体験で焼いて頂けるのは

普通ならまあ、2碗

そこで、4つ全部焼いて頂いたら

お幾らになりますか ?  とお尋ねすると

「 5000円でよか 」と仰られる

え、体験料が 5000円なので

追加の焼成料金はなし ?

普通なら 3碗目から追加の料金が

発生するのですが

ここは先生の心意気に

甘えさせて頂くことに

その代わり、といっては何ですが

先生の作品を多目に買わせて頂こう

と思い、二階へ

 

お話を伺いながら

作品を拝見する

昔ながらの唐津土と思われる

良さ気な絵唐津のお湯飲み

「 先生、これはお幾らですか ? 」

「 うぅん、1000円たい。あげるよ 」

「 えっ ! ? 」

頂いては当初の意味をなしませんし

そもそも 1000円のはずがない

安過ぎる

なので、今度は酒器を拝見し

気に入ったものを二っつチョイス

一つは井戸形の絵唐津

窯変で琵琶色と鼠色の部分に分かれる

殊に口辺の石が爆ぜ、更にその周りが

鼠色になっているところが洒落もの

もう一つは青唐津

半分だけ皮鯨で釉の透明感も秀逸に

仄かに青味のあるグレーの中に

ほんのりとした綺麗な琵琶色が漂う

どちらの酒器も堪らない

更にそれにプラスして

粉引きのティーカップ

高台から生成りの土の色、緋色

少しのグレー、そして粉引きの白

そしてその白の中には

ピンク色や青味が見られる

釉の濃淡、流れる釉溜まりが

釉の奥行きでありアクセントにも

これら三つで、お幾らでしょうか ? と

伺うと、先生は

「 うーん、じゃあ四つ

 ( 最初の湯飲みを含む ) で、〇000円でよか 」

げえっ ! 一つ 〇〇〇円じゃなかとですかーーー

( 余りと言えば余りにもなお値段故に

 自粛させて頂きます )

「 いや先生、せめて◎000円で ( 当然 〇<◎ ) 」

「 いや、〇000円でよかと

   その代わり、送料は着払いたい」

「 え~~~~~ ! 」  ( 絶句 )

焼成の追加料金を負けて頂いた分

多少なりとも先生にお金を受け取って頂こうと

考えていた目論見は

見事に打ち破られてしまいました

 m(_ _)m 参りました

ありがたく、御厚意に甘えさせて頂きました

そしてそして更に更になんとなんと

お土産として朝鮮唐津のマグカップ

じっくりと低温焼成されている〇〇〇まで

( お値段と同様に伏せます )

頂戴してしまいました

誠にありがとうございました

 

その後、電車の時間の許す限り迄

お話を伺いました

幾つか

 

唐津でも他の産地と同様に

最近はガスで焼かれる方もおられるとか

難しい問題ですねぇ

 

窯元によっては営業を雇われているところも

おありなのだとか

そしてその分配のお話

嘗ては、窯元8の 営業2だったものが

現在では、窯元4の 営業6になってしまった

売れ筋の作品や総販売量の多寡が

分からないので、その分配の変遷は

単純に比較の出来ない事柄ではありますが

大量生産品の分配かよ ? ・・・・ と

突っ込みたくなってしまいました

 

知り合いや仲の良い作家さんのところに

伺ったり、手伝いに行ったりした折に

技術を、目で盗む

出来ないんですよねえ、中々に

目で技術を覚えられたり

独学で色々と試行錯誤されたり

でも、そういう話をするときの先生の目は

子供の様に輝いておられる

 

途中、先生の娘さんが来られ

昨日門司港に行ったことをお話しすると

門司港の美味しい回転寿司のお店を

教えて頂く

博多に観光に来られた方が

ぎゃらりぃ松風に体験に来て下さり

そのときに色々な観光情報を教えて頂ける

とのお話でした

 

原材料に使う水は雨水

原材料作りに天日は欠かすことが出来ない

 

窯の中に残った黒炭を細かくした灰を使う

 

昔は耐火煉瓦がなかったので

効率よく温度を上げることが出来なかった

だがその分、焼成に時間が掛かり

結果として低温での焼成時間が長くなり

蓄熱量も多かったのではないか

 

鉄絵に使う鉄は鬼板か弁柄かでも

違ってくる

 

先生のところの朝鮮唐津の釉は

鉄釉だけでも6種類もあるそうです

それに + 他の方から教えて頂いた 1種類で

計7種類もおありだそうです

これが焼成具合、焼成温度

窯内部の雰囲気、土などによって

変化をするのですから

一つとして同じものはない

 

良か、と思ったものは自力で真似をしてみる

不自然さを感じたら、考えてみる

 

拘りを持ち、疑問を持ち続ければ

終わりはない

70歳を超えられた今も

子供の様に目を輝かせられ

工夫、独学を怠ることなく

惜しみなく手間を掛け

よか と思う焼き物を目指していかれる

自分が、よか と思う焼き物で

人が喜んでくれればそれでよか、と

 

松永先生、ぎゃらりぃ松風さん

ありがとうございました

 

ぎゃらりぃ松風さんを辞し

姪浜駅近辺の Seria さんへ

エアパッキンを購入

頂いた焼き物が割れてしまっては

大事です

 

地下鉄に乗り込み博多へ

博多からは秋の乗り放題パスにて東へ

 

小倉で寝過ごし

折り返し運転の為

危うく鳥栖に逆送されそうになるも

辛うじてセーフ

 

順調に眠り、いや乗り継いで

広島は五日市駅で下車し

塩屋天然温 ほの湯 楽々園さんで

しとっ風呂

髪を乾かす間のないままに

五日市駅に戻り

再び電車に乗り込む

 

無事、中庄駅に到着

24時前

明日は仕事なり~

 

ああ、それでも今回は

とてもとても有意義な旅でした

 

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