3時間少々の睡眠の後
なんとか起きぬけて、ごそごそ
風呂屋にてしとっ風呂
穂浪へと向かう
海の駅で時間調整をして
13時前、澁田先生の自宅工房に
フランス行きを前にお忙しい御様子
5月の半ばからですから、もう直ぐの話ですものね
お話を伺いながら拝見です
去年の窖窯築窯から 3回の窯焚き
ただ窯自体が小さく、共同で焚いた窯なので
作品の数が少なめで申し訳ない、との事ですが
いえ、そんなことはありません
良さ気な作品が目に付きます
因みに、窯が小さい、と言っても 7mオーヴァーというお話ですが
今回のフランス行きのプロジェクト
ANAGAMA de BIZEN
フランスのクルーズ県シェニエに 2ヵ月半の間滞在して
窖窯を一から作り、現地の土で作った作品と備前の土で作った作品を
酸化焼成と還元焼成の 2パターンの焼成で焼き上げるというもの
結構大掛かりです
メンヴァーは的野智士、澁田寿昭、小橋順明、藤森信太郎、森大雅
の 5先生方
プロジェクトの費用は○百万円に及びます (敢えて伏せときます 笑)
公共機関や企業への助成金の申請などの手続きが
まだ全部終わっていないそうで、それと平行して搬入搬出や
滞在の準備、向こうでの様々な伝のお願いなど本当に大変な御様子
中でも一番難しいのは、フランスでのPRをどうするか、だそうです
昨年築いた窖窯は効率が良過ぎて
胡麻が浅くなってしまう
フランスで作るときは少し改良が必要かな、とのお話
備前の粘土と藁を送っているけど、税関を通るかどうか
まだ分からない
粘土には当然色々な細菌やヴァクテリアが居ついているので
最終的にはフランスの税関の判断になるだろうとのこと
現地の土にはまだ触られていない
あと、あちらの煉瓦の規格もまだ未知とのお話
文化に対する助成金はバレエや踊りなどに対しては
割りと出してもらえ易いけど、工芸に関してはあまり・・・だとか
でも、日本の文化は、ねぇ
寅壱さんでユニフォームを作って頂いた
お話を伺っていると、出発までまだまだ大変なことが多い御様子ですが
是非楽しんできて頂きたいです
ここからは窯焚きについて
30年として、50回くらい窯を焚いたかな
オイラたち素人が思っている程、窯焚きに体力は使わない
キーになる温度帯だけ気を付けておけば大丈夫です
寧ろ、製作の方が体力を必要とされるとのこと
勿論、作家さん個々のスタイルの違いもあるので一概には、というお話
藁があればくっ付かない、というわけでもない
藁があればいい、と思ってました 恥笑
因みに貝 ( 中でも藻貝が使い易いとのこと ) が
一番くっ付かなくてよいのだそうです
貝の目跡って、デザイン的な部分が強いのだと思ってました 恥笑
あ、あと藁の白灰も良いそうです
炭桟切りの炭
大きさや割り易さで使い分けるそうです
樫木の炭や雑木の炭など
割ったときに出る炭の粉は色がくすんでしまう原因になるのだとか
orz
ミニ窯のときに思いっ切り使ってた
次回からは粉になった炭の入れ方を考えねば
土と窯は決まっているので
薪と焚き方で変えていく
同じ温度でも還元と酸化だと
酸化の方が焼き締まり難い
徐冷環境による胡麻の色の違い
黄胡麻はゆっくり目な徐冷が必要
いつも、アマチュアの質問 −しかも要領を得ない質問 − にも
丁寧に御指導頂き、ありがとうございます
その他
お客さんの御要望は様々で
その御要望に応えるべく、狙って焼き上げるのは
中々に難しい
お客さんの要望は割りと派手なものから
落ち着いたものや侘び寂びたものへと変わってくることが
ままある
先生が普段使われているお皿も
ぼたも何もない、ただ茶色いだけのお皿
土味だけのお皿
さて、今回頂いたもの
自然練り込みの四方の片口
口辺に濃い緋色と黄胡麻
見込みには細やかな茶色の胡麻
白味の強いマーブルな器胎と緋襷も少し
黒備前の酒器 2点
一方は胴締めで胴にはカセた胡麻
塗り土がやや鉄釉っぽいニュアンスを感じさせる黒
見込みは口の辺りに溜まった胡麻が塗り土と共に一筋に流れ落ち
色も黒、緑味のある青、マットな金色と壮麗な眺め
闇夜の雷雨の中、暴れ遊ぶ龍の様にも
もう一点は打って変わって胡麻も控え目な六角酒器
自然練り込みの土に塗り土を施したもの
割りとマットな黒
このマットな黒は
火の当たった時間に因るのか、自然練り込みの土に因るのか
現時点ではどちらとも言えないとのこと
自然練り込みの四角い花器
オイラが花入れ !?!?!?
勿論、贈り物用ですよ
花器とかオイラには真逆の存在
4点で19000円のところを 2割引の15200円にして下さいました
いつも済みません
そして、なんとそればかりではなく、おまけとして
黒備前の鎬のビアジョッキまで頂いてしまいました
もう本当にありがとうございました
御忙しい中 2時間弱もお邪魔してしまいましたが
いつもと変わらぬ応対をして頂き、とても楽しく過ごさせて頂きました
フランスでの御活躍を楽しみにしております
澁田先生ありがとうございました