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カナダでのお話

農業を営まれているパーシー・シュマイザー氏

ある年、氏の畑に隣家で栽培しているモンサント社GM菜種が混入し

(GM菜種=遺伝子操作をした菜種)

氏が50年をかけて改良した自家開発の種子が汚染されてしまった

取り返しのつかない損失に氏が打ちひしがれている中

なんと、あろうことか、モンサント社から

GM菜種を無断で栽培した と特許権侵害で訴えられてしまう

混入経路は関係無い

自然交配だろうと風で飛ばされた種子が自生したのだろうと

遺伝子操作された耐性菜種を作る遺伝子に知的所有権があるのだ、と

氏の土地のGM菜種を差し押さえることも、廃棄させることも出来るのだ、と


土地や器具を差し押さえるという裁判も別に起こされる中

シュマイザー氏は最高裁まで闘う

その結果、モンサント社特許権は認めるものの

氏が最高裁で持ち込んだ、新たな争点

農民には自分の種を改良する権利がある

特許を高等生物に認めるのは根本的な誤り

生命は不可侵であり、人間も企業も生命を支配してはいけない

等が認められ、生命体への特許についてはカナダ議会に差し戻し

種子への特許や農民の権利を見直すよう命じた

当然の事ながら氏に対する損害賠償請求も棄却された

事実上、シュマイザー氏は勝訴した


併しながら2年後、またもやGM植物で氏の畑が汚染されてしまう

氏とモンサント社の闘いは終わっていなかったのだ

氏はモンサント社に混入を通知し、モンサント社もこれを認める

そして氏がモンサント社GM植物の除去を求める、のだが・・

モンサント社は、畑の汚染に関してモンサント社に対し

今後一切の訴訟を起こさない、という内容の免責同意書への

サインを求めてきた

同意しないのなら、GM植物の除去はしない、と

氏は当然拒否

隣人の手を借りて除去するとモンサント社に伝える、と・・・

今度はモンサント社から中傷メールやFAXが届くようになる

その興味深い内容は

あなたの畑のGM植物はあなたのものではない

当社の特許財産だ。手出しは許されない

つまりは、氏に処分権はない、との内容だった

(人の土地に許可無くビルを建てて、そのビルは俺んだ

勝手に入るなとか、勝手に取り壊すなとか、取り壊し費用は払わん

と言ってるのと同じやん。ばねぇ 笑)


氏は私の畑に生えた植物だ。私の自由にする。と言い

近所の人を雇って、自分達で除去

640カナダドルの請求書をモンサント社に送る

モンサント社は支払いを拒否

1年間の交渉の末、またもや免責に同意すれば支払う、と・・・


結局この争いは、裁判の結果

モンサント社側の弁護士が640カナダドル

裁判費用20カナダドルの支払いを申し出て

また、遺伝子に特許権を持ち、それを制御できないのなら

有機栽培や在来農法の(GM植物による)被害はモンサント社の責任である

と認められた


シュマイザー氏の闘いのお陰で

遺伝子組み換え植物で汚染された被害を

裁判で請求をすることが可能となった


と、いうお話なんだけど、このお話

近い将来、日本でも起こり得るお話かも

TPPに日本が参加して、アメリカの企業が日本の農業に入り込んでくれば

ただ、日本人が企業を相手にここまで闘えるのかなぁ