雨のさくらの下で

一時期、地名を変える

ということが、ちょっと多くね ? というくらいに行われた

地名を変える理由は

イメージが悪い、とか

オサレじゃない、とか

酷いのは、地価が下がる、とか


地名には、もちろん全てではないけれど

その土地の云われや、そこがどのような土地であったかを

表わし示す地名がある

中には地盤の強さに関係するような地名も

今回の地震で自分が住む土地の地盤の強さを気にする人も増えているとか


以前に聞いた話

鉄という地名がある

読み方はくろがね

その鉄にある、とある会社が役所に

地名を変えてくれ

理由は、鉄という漢字は、金(銭)を失うと書くから

縁起が悪い

だから、地名を変えてくれ


はじめ、笑い話 ? と思ったら

話している人(その会社に勤めている)は、本気

正直、はあ ? 何言っとんねん。アホちゃうけ と呆れた

だってそこは、その会社が来る前から‘鉄’

縁起が悪いんなら、あんたらが何処か縁起の良いところに出て行けば良い

大体、鉄というのは古代において権力者が握るもの

そのくらいの言い回しがこの会社内では出ないのかな


先日、雨の中の桜を見た

小学校のプール傍の桜

情がある


岡山のあるところに、桜をいっぱい植えているところがある

一面が桜

その桜の中を歩けば、気持ちよく心地良いだろう

つくしいだろう

けれどもその場所を少し離れて眺めると

山の真ん中でくっきり直線で区切られている

左が緑色で右が桜色

それこそアフリカに引かれた国境のような直線

痛々しく、無残


最近の日本人は

自分の身の回りが楽しいこと、きれいになることばかり考えてきた

それが他者から如何に見えるのか

今、これから見つめ直さなければいけない