桃山素敵

hirunesai2015-03-28

始発にて京都へ

奈良線東福寺に出てから

京阪に乗り換え七条で下車

10時過ぎ、京都国立博物館

特別展観 天野山金剛寺の名宝を見に来た

昨年白洲正子さんの御本で金剛寺さんの日月山水図屏風を知り

是非とも拝見すべしと思いつつも、タイミングが合わなかったもの


金剛寺さんでこの屏風図が一般公開されるのは年に 2度だけ

しかも、多分だけど 1度の公開が 1日とか

つまり年に 2日のみ

今年のGWには何とか・・・と企んでいた矢先

先週の日曜の晩にこの特別展観を知り狂喜乱舞

wktkの裸正座で土曜日になるのを待っていた、という次第にて


入館後、順路に従い 3階から

中国の古陶磁

茶色掛かる濃い黄釉、琅玕の如き緑釉、明るさを残しつつ拡がる青

唐三彩の美しさ

その形

青磁の美しさ

文様、釉の掛け方等の洗練さ

12,13Cの物、場合によっては千数百年も前の物が

今なお美しく眼前にある


日本の考古

銅鏡の美しさ

殊に緑青の鮮やかな緑

巨大な銅鐸の目が吸い込まれてしまうデザイン性


3階の展示を見て思ったんだけど

中国なら12,13Cまで

日本では鎌倉室町、その上に花開く桃山までに

これだけのものを作っていた

作っていたのに、その後の数百年は何だったのか ?

人間はここ数百年、いうほど偉くなったのかな ?

( 勿論江戸時代もハイレヴェルではあるのだけど

 古代から桃山までに昇り来た感じが薄らいだ様に感ずる

 生命の躍動とか溌剌さとかが

 江戸の町民文化にはそれなりに見られる気はするけれど )


2階は絵画関係

浄土曼荼羅図 ( 知恩寺 13C 鎌倉 )

当麻曼荼羅図 ( 堂本四郎氏寄贈 鎌倉 )

この 2つの曼荼羅図のエネルギー

曼荼羅図から風の様に押し吹いてくるエネルギー

山市晴嵐図 ( 雪村 16C 室町 )

朗らかさ大らかさ

白衣観音図 ( 正悟筆 雲外雲岫賛 中国 14C 元 )

穏やかな閑けさ


1階

特別展観 天野山金剛寺の名宝 彫刻

獅子 ( 金剛寺 大日如来像台座付属 12C 平安 )

一体一体違う作り ( 作り手が違うとの解説 )

どの獅子も愛嬌があり愛らしい


特別陳列 雛まつりと人形

人形は、ね、やっぱりちょっと、ね

何かが宿っちゃう気がするので・・・そそくさと


そして、特別展観 天野山金剛寺の名宝 書跡

本日の第一目的 日月山水図

勿論、分かりません !   笑

だってやまと絵とか言われてもお   笑

でも、分からないけどじっくりまったりと拝見しました

離れたり近寄ったり、屏風なので斜めから見たり

( 当然、他の方の迷惑にならない様にですよ )

お勧めは、しゃがんで目線を下げてから見る事

空間の奥行き広がりが分かります

元々屏風絵って座って見る物じゃない ?

大らかでありながらも緩急のある線や色

大胆なデザイン的構図、デフォルメ

確かに白洲さんが書かれていた通り、過渡期的なものかもしれない

桃山のデザイン ― 華のある艶やかさ、広い視野を作品に

大らかに大胆に落とし込む技量と感性 ― に通じるものが

あるやもです

来た甲斐があった !


絞り染

小袖裂 染分地雲取り桐木瓜文様

小袖裂 染分地雲取り柳文様

紫地段に花菱円草花文様小袖 ( 桃山 )

染分地段に丁子文様銅服 ( 徳川家康下賜 17C 桃山 島根県清水寺所蔵 )

今月半ばに伺った古田織部展でも桃山時代の小袖を拝見しましたが

桃山時代のデザインは要勉強です

利休居士の内向的に集約され

その一点に見出される様な美しい生命力

― 一点に集約されたことから来る不完全な美と対象への畏怖 ―

とはある意味では真逆であり、またある意味で根を一にする

視野の広がりと躍動的な生命への賛歌

日本の自然への畏怖と賛美


その後、特別展観 天野山金剛寺の名宝の金工、化粧道具を拝見し

ミュージアムショップにて、神坂雪佳氏の

十二ヶ月草花図の柳に椿のミニクリアファイル ( 200円 )

を購入して館外へ

うーーむしかし、これだけの展示物を拝見して入館料520円とは

お得

見応え十分で御座いました


コンビニでおにぎりを買い昼飯を済ませ

お次は京都国立博物館ご近所の豊仙窯さんにて

手捻りをさせて頂く

こちらの豊仙窯さんは営業時間も 9時〜20時と長めですし

手捻りの体験料は2500円と京都市内では結構リーズナブル

京都観光の折に如何でしょうか ?

あ、送料は着払いです

で、黙々黙々黙々と只管にお茶碗を作る

途中で奥様と娘さん ? にご挨拶頂いたのにも気付かず

( ちょっと経ってから気が付きました。すみませんです )

黙々黙々黙々

お陰様で 1時間ちょっとでお茶碗 2つ完成です !

まあいつも通りの重た手茶碗ですが  笑

一つは沓茶碗・・・

つか調子に乗ってやってたら腰の上に穴が開いたので

それを直していたら沓に  笑

もう一つは結構な大振り振り

多分、桃山文化の系譜に連なる

連ならねえよ  笑


ということで殆ど豊仙窯さんについてはお話を伺えておりませぬ

土は京都の土屋さんが京都の焼き物用にブレンドされている土を

購入されているとのこと

体験の釉薬は 7種類で

個人的には 2種類の釉薬を使った物が良いかな

その中でも掛け分けよりサンプルのような二重掛けの方が好さ気でした

色の組み合わせは 紺×白、黒×白、赤味の強いピンク×白

詳しくご覧になられたい方は豊仙窯さんのフェイスブックにて

あ、あとお土産に箸置きを頂きましたよ

豊仙窯さんありがとうございました


手捻り体験を始めて暫く後

ご夫婦で轆轤体験にいらっしゃたのだけど

旦那さんの作品が素敵 !

轆轤は初めてと仰られてましたが、平茶碗っぽいものとか

本当に素敵でした

かっけえなー って見てました

奥様の方は少し重た手のお湯呑みになってしまわれた様でしたが

口辺の山道がなかなかにいい感じ ! でした

お湯飲みで口辺が山道ってある意味レアかも

素敵なご夫婦でお二方とも楽しんでおられたかと


豊仙窯さんを出て再び京阪に乗り祇園四条

少し歩いて寺村牡丹堂さんに

おぼろタオルを 5枚購入、1620円也

そのままふらふらと散策しながら錦湯さんへ行き

しとっ風呂

汗を流して、その後も散策

京都ってほんまに絵ぇになる街やなぁ


三度京阪に乗り東福寺

京都駅に戻り姫路から上道へ無事帰着

うーん、濃い一日でしたあ !