12時半に家を出て、まずは総社に
水汲みを済ませ、そのあんよで倉敷入り
加計美術館で催されている、けらもすの
美観地区着
車を止め加計美術館へ
中に入る
・・・・
《 ゚Д゚》Σ
こ、これは・・・
澁田寿昭さん、安田龍彦さん、天野智也さん、渡邊琢磨さんに
内田和彦さん、的野智士さんに藤森信太郎さん、と
作家さんが勢揃いされている !
なんとも豪華な日にお邪魔出来たものです
ラッキーです !
その上に本日はオープニングパーティーだからでしょうか
ドリンクや洒落たおつまみまで用意されておりました
更なるラッキー !
さて、拝見です
ざっ と見た印象ですが
本当にあまり変わらない、松で焚いたものと
強いて言えば、ガラス状になった胡麻のクリア感が多少違う、かな ?
というくらい
ただ、それも薪が違うからと予め聞いているから
何となーく、そんな風に見えるのかなー というレヴェル
正直、オイラにはその違いが分かりかねまする
天野先生のお話だと
焚く時間がもう少し長かったり、今回は酸化焼成なので
還元が強ければ、また違う結果になるのかも、とのことでした
実際に還元の方に関しては、それと思われるものが見られるとのこと
しかしながら前述の通りに
今回はあまりはっきりとした差異が見られなかったので
先生方としては松の代替として檜・杉が使用出来て
良かったといえば良かった様な・・・でも何か物足りないような・・
というお気持ちだったとか
その為、窯出しの折り取材に来られていたTVクルーから
なにか盛り上がっていませんね、みたいな突っ込みがあったそうです
まあどの道、土が変わり、窯焚きの状態が変われば
また変わってくることなので
もうオイラの様な素人ずぶずぶには、分からんとですよ
( ここから後は拝見しながら伺った先生方のお話です )
渡邊先生
轆轤で挽き上げただけでは
どうしても物足りず、手を入れてしまう
23日 ( 祝日 ) のギャラリートークと鼎談では先生もお話をされます
軽妙ながらも決して浅からぬ+茶目っ気とユーモアを交えた先生のトーク
今回は気合も十分という雰囲気でしたから、尚の事必聴ですよ
え、オイラ ?
オイラはね企業カレンダーで生きてる人なので
23日 ( 平日 ) なので拝聴できないのですよ 涙
黄色の胡麻について教えて頂きました
通常、備前の黄色の胡麻は冷却時、窯の雰囲気が酸化の状態
ということなのですが、所謂ころがしで熾きに埋もれたものの
隈取部分に見られる鮮やかな黄色も酸化状態に因るものなのでしょうか ?
とお尋ねすると、灰の厚みのグラデーションに因るものです とのお返事
所謂、胎土の緋色といわれる部分も灰が ( 胡麻の部分に比べるとですが )
薄く乗っている、その灰の乗る厚みが変わると色も変わる為に見られる
黄色だというお話
一つの作品を作るのについ、時間を掛け過ぎてしまわれる
象嵌物の白は還元の方がきれいに出るそうなので
先生の窯の焚かれ方だとチビ窯の方が相性が良いようです
内田先生
理屈だけ理解して口で言うのは簡単だけど
実際にやらないとやはり分からないだろうし
実際にやってこそ分かることもあるだろうから、と
最近、黒備前も始められた
先生の黒備前は鉄分の多い土というよりも
ドベ状の共土に顔料を混ぜたものを塗った黒だとのこと
ただ、この手法だと胡麻が赤味の強い色になってしまうので
その辺をどうするかが今後の課題だそうです
個人的には赤味の強いのも悪くはない様に思えます
全て駄目になってしまわれた
土がもたなかった為だろうとのこと
oh …
陶芸センターに入った後に
当代の楽吉左衛門の作品に強い感銘を受ける
今現在、先生が刳り貫きで使われる道具は
その感銘をうけた当時に作られたもの
ロクロマン 笑
ロクロスルヒトと名乗られることもある内田先生ですが
最近もう一つ、轆轤を挽く気にならないとか
やはり、手捏ねからの削りが好み
轆轤で集中してくると、舌を出す癖があられるそうで
そのために最近、奥様から
轆轤の時に舌が出てない と突っ込まれてしまうとか
銀彩の硫化の変化付けを全体的なものから部分的に変えられた
銀彩茶碗 不二山
( 先生のtwitterの9/18から写真が見られますよ、是非 )
去年の備前焼まつりで先生の銀彩作品を頂いた後に
折角本焼きまでされているのだから
その下地の本焼き部分を模様として出されれば良いのでは
と思ったのですが、そのことを
素人が生意気なことを言っていると承知で、先生にお伝えしてみると
先生曰く、それはかなりのセンスが・・と
もう一つは銀彩という普通の釉薬とは違うものなので、とのこと
うーん残念也
ただ、銀彩だからということは如何しようもないことだけれど
センスの部分は内田先生向きだと思います
難しいことだと分かった今でも
電気窯、ガス窯、灯油窯から薪の窯ではなく
薪の窯から電気、ガス、灯油窯へ
こうすれば、こう焼ける は
裏っ返せば、やったことがそのまま、出てくるということ
以前は備前焼作家として、というよりも
備前焼作家だからという拘りに囚われていたけれど
最近は楽しんで作るという方向に気持ちが向いてこられたし
また、その方向で良いと感じられているそうです
無責任に聞こえるかもしれませんが
オイラは個人的にそれでいいと思います
だって人生で何を選ぶかという自由は、原則的に
誰でも認められているという考え方だし
自由と責任は表裏ですから
天野先生
オイラが従来の松作品と檜・杉作品を見比べて
う〜ん、あんまり変わりませんね と感想を述べると
えっ !? というリアクション
しまった、全然違うのか 苦笑
不図、自分の足元に目を遣ると馬脚が 5,6本出ちまっている
もう、アフターカーニヴァル 苦笑
すみません、打てども打てども響かないタイプなので
先生のご説明 : 桟切りの出方などが全然違っています とのこと
確かに。
でもね、負け惜しみなんかじゃなく
焼き物はこれが楽しいんですよ
どこまで見えているのか ? という抜き差しならない遣り取りが、ね
なんせオイラは備前陶苑さん仕込みですからね
今回の窯は大変に焚き易かったというか温度を上げ易かったそうです
寧ろ檜や杉は熾きが溜まり難く、そちらの方に気を遣われるとのこと
土をブレンドしない !!!
驚きました
所謂良い土が手に入り難くなった今では
ブレンドしての土作りが当然だと思っていましたから
窯元時代での修行時代から土作りをされてきた天野先生ならでは
土の特徴と先生の幾分背が低目ながらも大き目の窯のどこに窯詰めをし
尚且つ意図された部分部分で温度差のある窯の焚き方の
組み合わせによって引き出される色
それぞれの土が持っている色の引き出し
例えば耐火度の少し低目の土を
火がよく通り胡麻を乗せ易いけれども
温度がそこまで上がらない天井ぎりぎりのところに敢えて窯詰めし
色を引き出す
凄いです ! といいますか、天野先生恰好良いです !
「分からんかなあ」
このブレンドしないを聞いて
備前陶苑の大田原さんに言われた言葉を思い出しました
天野先生の作品を手に、天野先生のことをお話して頂いていたときに
言われた言葉
嗚呼、此の事を言われていたのか
土の持つそのままの色を引き出す
土味を引き出す
芳村俊一氏のことを思い出しました
芳村やきもの資料館に一度行ってみたかったな
天野先生の窯の形から駒形先生の窯のお話になったのですが
駒形先生、甕を焼かれる為に窯の一部分だけを
大き目に作り直されたのだとか
その為に窯の一部分だけが、ぽこっ と膨らんでおられるとか
( 因みに、それでも窯詰めの時に甕が入らず
地面を掘って窯詰めされたとか )
これも以前、聞いたというか読んだことのある話を思い出しました
あやしい店長の備前焼ブログ ( 2008/08/09 ) に書かれていたこと
( 以下はブログからの引用です )
駒形先生の蛇窯は鶏卵を呑んだ蛇みたいに
ポッコリ盛り上がった部分がある
( クマさんあれはなに ? )
「下に岩があって掘れないから盛り上げた」
疑いの眼差しを向けたら
「行ってみろよ」
( 引用ここまで )
今日やっと分かりました
お陰で思いもかけず、すっきりしました
澁田先生
今年もう一度と年明けに一度、先生単独の窯ではありませんが
窯焚きの御予定あり、とのこと
ブログにも書かれておられましたが
最近はヨーロッパ文化の勉強をされておられるそうです
言われるまでは考えもしなかったのですが
大変に興味深いです
網野善彦先生の御本にもあった海の往来を考えれば
ごく自然なことですよね
海があるから断絶、ではなく
海があるからこそ繋がっている、というもの
自国の中で完結している状態よりも
他国から受ける影響が強い状態の方が当然に
文化的盛り上がりが強くなる
さてさて気になった作品
澁田先生の酒器
胴の部分にクレーターまで見える青い月の様なカセ胡麻
そして見込みには品良く多過ぎない胡麻
この酒器は非常に美しい酒器
今回はオイラの個人的な・・というより、予算的な理由から
見送りですが、是非お酒好きな方に嫁入りして頂きたい酒器です
内田先生の黒備前
楽焼の様なフォルムに最近始められた黒がお似合いです
黒に白い釉薬でラインを入れられた作品もありましたから・・・
安田さんの大皿
でっかい !
本当に大皿 !
景色が渋目ではなくちょっと明るい感じなのも
実際の使い勝手的には良いのではないでしょうか
因みにこの大皿が売れれば安田さんは他の作家さんに
焼肉を奢られるとのこと
なんか作家さん同士で、和気藹々と楽しそうにやっておられましたよ
的野先生の甕
白備前の甕です !
可也のインパクトです !
そして渡邊先生の片口
天野先生が最初に説明して下さった
還元が強ければ、と言われていたもの
綺麗な緑気味の自然釉が見られるもの
以前の先生のアバター物の印象の強い緑よりも
その表情に明るみがあり、やさしい色合いの緑です
先生御自身もこれを伸ばせれば面白いかな、と
そして今回頂いたもの
天野先生の鎬の酒器 ( 檜・杉焼成 )
抜けの黒と薄く暗い赤茶色
その周りを囲む金彩掛かった隈取部分
鉄分が多い為、少し青味を帯びた見込みの胡麻
全体的に静かな光沢
その光沢の奥に感じる、何か
うーん、上手く言えないけれど
存在感のような感じ
4000円
藤森先生の酒器
胴の殆どを占めるカセ胡麻。所謂メロン肌
カセ胡麻でないところはとろっとした茶色
見込みにはたっぷりと、また複雑な表情の胡麻が流れる
口縁近くのカセ胡麻はメロン肌や複雑で細かな凹凸
そのカセ胡麻の下に白っぽい黄胡麻や濃い黄胡麻が複雑に絡み
底に流れ溜まった胡麻は非常に細やか
この見込みの途中の白っぽい黄胡麻が
見込みの胡麻の表情、雰囲気ばかりではなく
全体の雰囲気にまで変化をつける
むー、なかなかです
実は窖窯 de 備前のときの藤森先生の作品
様々な焼けのキューブを見て以来気になっていたので
今回頂いてみました
木箱が付いて、5000円です
ありがとうございます
一応出掛けに、毎度のことながら
お金を使い過ぎない呪文を唱えていたんですけどね 笑
一つだけやからな、一つだけ
5000円くらいまでやで
今月はお盆休みの関係で少ないんやからな
まじ、やばいんだから
と、
相変わらず効かないな、この呪文は 笑
美術館を出て、時間を見ると既に17時をまわっている
あら ?! 感覚的には 16時半くらいやと思ってたのに
2時間ちょっとも居てたのか
駐車場に向かいながら、不図
備前陶苑さんの帰りみたいやな、と思う
もちろん陶苑さんのときにお相手して頂いていたのは
大田原さんと澁田先生で
他の作家さんはいらっしゃらなかったのだけれど
今日作家さんと同じ空間で過ごさせて頂いた感じと
当時、陶苑さんで作家さんの作品の中で過ごした感じが
似ているからだろう、きっと
先生方、今日はありがとうございました
9/28 ( 日 ) まで開催されております
美観地区周辺にお出かけの際は、気軽に立ち寄ってみて下さいませ