昼、家出
早く着いたのでマルナカさんで時間調整
14時前、澁田先生の自宅工房へ
挨拶の後、早速ながら拝見
今回は全体にシックな感じでしょうか
シックではあるけれど、地味ではなく穏やかな色彩
色の幅もしっかりと広い
今回は窖窯での還元焼成とのこと
勿論焚き方や薪のことがあるので
登りの還元焼成との単純な比較は出来ないけれど
所謂一般的に思われている、一昔二昔前の
備前の登り窯の暗い感じではなくほんのりと明るい感じがある
今回の薪は種類様々だったそうです
赤松に檪、楠や桜など
小さ目の薪も結構多くて横くべに一苦労されたとか
先生的には薪の種類が多い方が色々な色が出て良いとのお話
なので、胡麻、自然釉の質感もいつもより豊かに
ただ、色に合う形はまだ弱冠模索中とのことです
今回の胡麻はややマットな質感を狙っての上がり
それに合わせて土作りも耐火度を高目にされたと
先生らしい ‘ 反骨 ’です
今月末にパリ大学主催のフランスでの講演
1週間程の滞在で、展覧会も開催
備前焼の輸出です
前回とは為替のレートが変わっているので
ここでも一苦心
講演の内容は西洋陶磁器と東洋陶磁器の違い
また、そこに見られる美意識の違いなどを含めての
窯と素材としての土のお話だそうです
触りだけ聞かせて頂きました
まず、東洋では陶磁器にある程度の歴史的連続性、発展性が見られるが
中世辺りまでの西洋では民族、国家の入れ替わり拡大縮小消滅によって
文化的なものが一度消滅してしまったり
後退してしまったりしてきた部分がある
それから、日本などの道具としての美
使い込むことで増していく美、変わっていく美に対して
西洋ではアート
アート=鑑賞するもの、という美
アート=装飾の美
鑑賞陶器に近いものになるのでしょうか
ここからはオイラの私見になりますが
( といってもよく言われていることですが )
東洋でも西洋でも自然は美しいと感じる
ただ東洋、特に日本では出来るだけ自然そのものを
西洋では美しいものすら一度征服して支配下に置いてから
ということですかね
それとも西洋では美しい自然とアートは
全くではないものの、別物だということなのでしょうか ?
モノトーンの器
須恵器の様なグレーの器もありました
京都の料理人さんには好まれるそうで
料理人さんによっては、ボタですら
盛り付けの邪魔になるというご意見もあるそうです
魯山人氏と陶陽先生の器の違いかな ?
違うか ?
まあ何れにせよ料理門外漢のオイラには難しいことです
確かに、料理を盛り付けた時の魯山人氏の器は半端ないですものねえ
業界団体の存在感や役割
谷町的なコレクターは現在でも備前焼を支えて下さっている
黒備前の徳利などは青色が出た方が人気
ギャラリーをされている方が焼酎ボトルと
湯呑みを買っていかれる
湯呑みは割りとシンプルなもの
ちょっと狙ってたんだけどね 笑
早いもの勝ちですからね
前回に続き、といいますか今回は少しばかり数を増した
備前焼の磁器 ( という表現もおかしいのですが 笑 )
10個程度でしたでしょうか
本当に一つ一つ違う色の白
鎬の面毎に様々な白色の焼き上がり
黒備前の土を塗ればもっと色んな色が出せるとのお話でした
この意外な磁器の焼け色の豊かさ ― 白色のみではなく白以外でも ― や
磁器といえば焼成温度も1300℃くらいで高いというイメージは
先入観的といいますか、1230〜1250℃くらいでもいけるそうです
勿論何処の産の磁土かにも因る面もありますが
鎬の土の質感、灰の被り方、火の当たり方で
本当にヴァリエーション豊富でした
今回頂いたもの
胡麻たっぷり焦げの胡麻たっぷりで
とろっとコクのある緋色たっぷりの瓢の徳利
白〜グレー、濃緑〜黒の焦げの胡麻が
たっぷりとその外側に掛かっていながらも
抜け、内側は穏やかで淡い色味の酒器
濃い目の緋色にゆったりとした轆轤目
少し白味を帯びた黄胡麻がはらりはらりと掛かるお湯呑み
そしてころがしの磁器土鎬酒器
抜けと見込みの淡〜い緋色が好いのです
4点で 2万と500円のところを
1万と6400円にして下さりました
いつも本当にありがとうございます
支払いが済んだ頃に丁度、素敵なご夫婦が来られたので
お暇することに
澁田先生ありがとうございました