松代焼 !

hirunesai2015-12-28

早朝五時、時間を持て余す

折角なので善光寺さんに

まだ暗く冷たい空気の中、真っ直ぐな参道を

明るく冴え渡るお月さんと共に善光寺参り


何年振りだろうか

神社仏閣の凛とした厳かな空気というよりも

温かな空気

門前の栄える街中のお寺さんということと

おびんづるさんのお陰か、と思う


松代線 7時45分のバスで30分程、松代駅バス停で下車

予約時間まで少し時間があるので松代城跡公園を散策

野鳥、草木、遠くに望む山並み、霜の残る橋、石垣

やさしい枯れ芝色の土塁の得も言われぬカーヴ


9時半前に松代陶苑さんに

本日教えて下さる小澤経弘先生に迎えて頂く


松代陶苑さんの土は瑞浪の鉄分の多い土

その土に松代温泉の湯を加えたもので、松代温泉のお湯に含まれている

鉄、マグネシウムなどが程良いのだそうです

ただ温泉水も分量が多過ぎると釉剥がれの原因となってしまい

また灰も天然の灰の持つ良さ、面白さは買ってきた灰では出せないのでと

その不便さも承知の上で天然の原材料への拘りを持って作っておられます


一度途絶えている松代焼を再興する折、原材料に何を使用したのか、という

記録は残っているそうなのですが、その配合の分量が分からず

大変な御苦労があったそうです

因みに温泉水のアイデアは小澤先生のものだとか

実は体験の途中まで、小澤先生のことは窯元の息子さんで

看板娘さんはそのお嬢さんだと、ごく普通に思っていたのですが

お二方共に窯元さんの御血縁ではないとの事で

更には小澤先生は元々陶芸の世界とは関係のない営業の世界で

御活躍されていた方とのことでした

それだからこそ、柔軟に

温泉水を、という発想に至ったのかもしれません

また陶芸教室に来られて轆轤を挽かれていた女性の方が

本当に自由な雰囲気の教室で、子供さんで来られている方も多いですよ

と仰られていましたが、血縁ではないということが

良い意味に働いているのでしょうし、そこには

ここ松代の方達のお人柄ということも多分にあるように思います


前述の通り、小澤先生は異分野からこの世界に入られた方なのですが

他の窯業産地については、ほぼ全くと言っていい程に

御存知ないのだそうです

正直に言ってしまえば、基本のことは同じなのですし

今はネットである程度の情報も集められます

あれこれと手を広げ過ぎ、欲を掻き過ぎた結果

芳しからざることになるのも、情報化社会などと言われ続けて

数十年経った現在でもよくあるお話です

然しながら松代陶苑さんの焼き物がそうなっていないのは

松代陶苑さんで働かれる方々のものというのは当然のことですが

小澤先生の芯を確りと地に付けたお人柄も大きな部分だと思います


陶芸教室の女性が結構大きめなお皿を挽かれていらっしゃるので

もう長くされているのですかと伺うと

一年半程なのだそうです

詳しくお聞きすると一時期はほぼ毎日来られていたとのこと

道理でです

今現在は娘さんのご結婚の為にお湯呑みを80個挽かれているそうで

大変に素敵なことですね


話は全然変わるのですが、松代といえば

信州松代真田十万石 !

信之候ですよね

真田太平記の渡瀬恒彦さんの真田信之も懐かしく

また嘗て幸村を演じられた草刈正雄さんが

今回の真田丸真田昌幸を演られるのも楽しみ !

ここ松代での真田丸の盛り上がりはまだこれからだそうですが

松代焼にも良い切っ掛けになればいいですね


さて体験の方ですが、土が作り易い土だったお陰もあり

抹茶茶碗ぐい呑み、それからフリーカップの 3点を作らさせて頂き

釉の掛け方はお任せとさせて頂きました

松代焼の青流し、楽しみです !


削りで出た土で、まだ何かと仰って下さいましたが

集中力が持ちそうになかったのでお気持ちだけありがたく


体験料3000円を支払い

( 手ひねり自由作陶コースが2500円 + 荷造り代 500円、送料は着払い )

お店を一旦出るも入り口傍にあったぐい呑み

実は入店時から気になっていた、を購入

600円程でした


小澤先生、看板娘さん、陶芸教室の方、松代陶苑さん

お忙しい折にありがとうございました


バスに乗り再び長野駅迄戻り電車に乗る

東京の立川迄一度出て、南武線で川崎入り

遅めの晩ご飯の後

駅から歩いて数分の政の湯さんでひとっ風呂

今宵もマンガ喫茶