人間の形

人間というものは死んだ後漸く

その形がはっきりとしてくる

 

そのようなことを白洲正子さんが書かれていたと思う

 

喪が深くなるにつれ、年ごとに、その人のおもかげというものが

つよく根を下ろしていく

 

そのような意味のことを池波正太郎さんが書かれていたと思う

 

 

生きている人間は生きている間変わり続ける

そうでなくとも一人の人間のすべてを知ることなど到底適わぬ

 

 

そして、水木しげるさんの御父君が言われたように

死んでしまえば雲のように流れ去る