越前焼窯元 たいら窯の藤田重良右ヱ門先生が
8月3日にお亡くなりになられたそうです
一度だけ平等の工房にお邪魔して、お会いさせて頂いたことがあります
(先生はまったく憶えておられなかったことと思いますが)
2007年の8月の終わり
先生がまだ九代目を継がれる以前のことです
その時は予約もなくお邪魔してしまったにも拘らず
快く作業場などを見学させて頂きました
あちこちと見学させて頂き、気に入った湯呑みがあったので
こちらを頂きたいんですが、と先生に差し出すと
それは見本だから、売り物ではないよ
と、明るく笑われてしまいました
工房には見本が置いてあるだけで売り物は置いていないとのこと
え〜〜ガッカリやなぁ
と、当時は残念に思ったのですが
しばらくして自分が贅沢に慣れてしまっていることに気付かされました
作り手さんが‘当たり前に’製作から販売までされている
作ったものを作り手さんから直接売って頂く
工房の側にギャラリーがあって、体験までさせてくれる・・・
自分が無意識に当たり前、と思っていることが
実はとっても贅沢なことなんだと
轆轤場の窓から見える美しい田の風景が思い出されます
57歳
謹んで御冥福をお祈り致します